[1221]食料の自給率

2013年5月17日

日本の食料の自給率が問題になっています。平成19年度の供給熱量ベースの総合食料自給率は40%。つまり60%の食料は輸入に頼っているということです。

自給率の低下は、農業及び漁業従事者の高齢化とともに、輸入に依存している体質が問題となっています。世界でも現在自国の食料確保のため、輸出制限を行なっています。つまり、海外から食料が簡単に買えないと言う事態になっているのです。慌てた日本政府は食料の自給率を高めるために農業に「てこ入れ」するようです。

でも、本当に食料の自給率を上げる必要があるのでしょうか?
農業や漁業は工業・技術産業に比べ生産性が良いとはいえません。賃金の高い労働力を使って、生産性の低い農業をあえてやる必要があるのでしょうか?

国の政策として、もちろん自給率を上げる、という選択肢はあるでしょう。
しかし、ほかの選択肢もあると思うのです。

農業を育てることは大事です。しかし、世の中には農業をしたくても国土が狭い国はいくらでもあります。そういった国は、ほかの産業で国の財政をまかないます。必要な食料はその産業で得たお金で買うのです。

日本で、食料の自給率に頼らないようにするには、円が強くなることが必須です。円高大歓迎。円が強くなれば、より安く食料が買えます。

国土が狭くても元気にがんばっている国。たとえばシンガポール。昔はマレーシアの一都市でしたが独立して一国家としてがんばっています。

シンガポールの国土面積は693キロ平方メートル。日本が377,835キロ平方メートルですからなんと545分の一です。日本の東京より小さいミニ国家は世界で24もあるのです。これらの国が食料自給率が100%なわけがありません。みな、それぞれの特長を生かして外貨を稼ぎ、食料を買っているのです。

食料が不足しているなら、円で買えばいい。売ってくれないというのは外交の努力不足。そして円を強くするのは日本国民の努力にかかっています。円高・株安で悩んでいる暇はありません。国内産業に磨きをかけましょう。

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