[1265]遺伝子組換農産物

遺伝子組換え農産物を原料として作られた食品は、国が安全だと宣言しているのですが、その安全性が将来にわたって不透明であるため、なかなか消費者には浸透しません。

現在、輸入していい遺伝子組換え農産物は生鮮品7種類、加工品は32種類あります。

生鮮7種:大豆、とうもろこし、ばれいしょ(ジャガイモ)、なたね、綿実、アルファルファ、てん菜(砂糖の原料)

これは国が審査し、安全であると判断されたものであるので、これを使用して加工食品を作っても法的にはなんら問題はありません。

加工された食品はJAS法及び食品安全法によって「遺伝子組換えである」旨の表示がされています。消費者はその表示を確認することで、遺伝子組換え食品であることを認識できるようになっています。

遺伝子組換えが問題になるのは、そのDNAとそのDNAの指示によりつくられたタンパク質です。菜種や綿実などから油を採りますが、油にはDNAやタンパク質は含まれていないので、遺伝子組換え食品の概念から外れます。なので、油は大丈夫。加工食品は表示があるのでこれも大丈夫。

問題になるのは、遺伝子組換え農産物を飼料とした場合です。大豆やトウモロコシ、菜種などは油を絞ったあとの油粕は、動物の飼料となります。これにはDNAやタンパク質を含みますから、それを食べた牛や豚は大丈夫なのか?

遺伝子組換え農産物を原料とした場合には表示義務があります。しかし遺伝子組換え飼料を餌にして育てた牛の肉は、表示義務がありません。この牛の肉を食べた影響は、おそらく50年くらいしないと結果は出ないでしょう。