[1278]放射性物質-セシウム-137同位体

2013年5月13日

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やっとガソリンが買えました!リッター¥150。ハイオクは売り切れでした。

前回のコラムで述べた、福島第一原発から発せられる放射性物質のヨウ素-131同位体。これは半減期(実質無害となる期間)が8日と比較的短いのですが、同様に確認されている放射性物質にセシウム-137があります。これは半減期30.07年と長いため、体内に取り込むと長期に渡って被曝し、大変危険です。

セシウム-137はウランの核分裂によって生成されるごく普通の放射性物質でコバルト-60と同様に強いガンマ線を発するので、レントゲン機器やCTスキャン、またがん治療に使う照射線治療機器として医療用の機器に多く使われています。

ブラジルの廃病院から放射線治療装置に使われていたセシウム137が盗まれ、放射性物質とは知らずに青白く光る魅惑的な粉末を肌に塗った現地住民が大量に被曝した事件(ゴイアニア被曝事件-1987年)を思い出すかたも多いことでしょう。

セシウム-137を体内に取り込んだ場合は、約100日から200日ほど滞るといわれています。最終的には体外に排出されますが、化学的性質がカリウムによく似ているため血液や筋肉など全身に回り、その間休みなく被曝することになります。セシウム-137はヨウ素-131と違いヨード剤や安定ヨウ素剤も効きません。ちなみにセシウムの解毒に使うのは「プルシアンブルー剤」といわれるもの。これはタリウムの解毒にも使われます。

こういった放射性物質は、とにかく「体内に取り込まないこと」が何より重要なのです。福島第一原発の状況は予断を許さない状況(2011.03.19現在)ですが、野菜については厚生労働省がその基準値を示し、安全なものを流通させるように自治体に指示しています。野菜類に含まれるヨウ素-131は1kgあたり最大2,000ベクレル、セシウム-137については最大500ベクレルを上限とし、基準を上回ったものは流通しません。

問題となるのは家庭菜園などで収穫されたもの、あるいは最近流行の直売所の野菜です。露地の野菜、特に葉物野菜は放射性物質を蓄積することが多いので、この時期はちょっと遠慮したほうがよさそうです。