[304]上弦の月

上弦の月とは、向かって右側が明るく光っている月です。やや上に向いていて弦を張ったように見えるので上弦の月といいます。下弦の月とは、向かって左側が光っている半月のことをいいます。

上弦とか下弦というのは、西の地平線に沈む時に、半月が上にあるか下向きであるかで名づけられたように思えますが、本来は上旬の月、下旬の月からきているというのが正しいようです。

昔は陰暦を使っていましたから、例えば11月の8日といえば8日目の月をいいます。3日月といえば11月3日が三日月です。満月は15日目にやってきますから十五夜です。下弦の月は十五夜のあとの月、つまり下旬の月となるわけです。

上弦の月は、太陽が西にある為、日没後すぐに見られ馴染み深いものです。それに対して下弦の月は太陽が東側にないと下弦になりませんから当然明け方になります。みんな寝ている時間なのでなかなかお目にかからないと言うわけです。

よく、満月の時には犯罪が起こりやすいとか、人を狂わせるとかいいますが、これは良く考えるとナンセンスです。こういうハナシはほとんど月の引力を引き合いに出しますが、満月だろうと三日月だろうと、そこにあるのは「いつもの月」であることには変わりないですよね。だから引力はいつも同じ強さです。

満月に見えるのは太陽の位置が月に対して真正面にあるからです。新月はその逆です。だから引力を云々いうのなら、太陽の位置関係による引力を論ずべき。潮の満ち引きは太陽と月の位置関係を表しますので、大潮小潮の因果関係で論ずるなら納得できます。

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