[248]鉄筋コンクリート

鉄筋コンクリートは、セメントと砂・砂利を混ぜて作ったコンクリート材料に棒状の鉄筋を埋めこんで作る複合構造材料です。ちなみに、セメントと砂だけを混ぜたものをモルタルといいます。コンクリートはモルタルに砂利を混ぜ(骨材といいます)強度を増したものです。

コンクリートは圧縮には強いけれど、引っぱられる力には弱い。一方、鉄筋は引っぱられる力には強度を持ち、コンクリートの引っ張られ弱さを補完しています。さらに鉄筋は、コンクリート自体を拘束する役目を持ち、複合して強度を高めます。つまり鉄筋コンクリートは鉄筋とコンクリートの長所を活かし、お互いの欠点を補完し合う優れた複合材料なんですね。

また、コンクリートはひび割れしやすいですが、これに鉄筋を絡ませることでひび割れ強度を得ています。また鉄筋は鉄なので腐食や錆びによる経年変化がありますが、これをアルカリ性のコンクリートで覆うことにより、鉄筋自体の寿命を延ばしています。

阪神大震災などで見られたように、振動に対しては、柔軟性の無い鉄筋コンクリートは弱いです。そこで最近では、鉄筋コンクリートを布で覆って補強するなどをの方法が開発されていますが、やはり地震に強いのは鉄骨で出来た構造物です。鉄筋コンクリートの建物に比べ、揺れは大きいのですが、復元力があり、変形に対する能力が大きいという特徴があります。

今では鉄筋コンクリートだけで作られた建物というのは減っていて、鉄骨で骨格を組んでそれに鉄筋コンクリートで肉付けをする鉄骨鉄筋コンクリート構造のものが主流となっています。

一般住宅では鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートの家はそうそう無いですが、鉄骨造りの家は結構出回っています。在来工法の家や、木質パネル工法の家に比べ、地震には圧倒的な強度を誇ります。鉄骨で箱を組んでそこに壁を貼り付けていくんですから、地震に強いのは当たり前といえば当たり前なんですが。

3年くらい前にシンガポールに行きましたが、シンガポールというところは地震が無い国だそうで、かなり背の高い高層ビルでも柱はおもちゃのように細く構造はほとんど鉄筋コンクリートです。解体しているビルも、新たに建てているビルも華奢(きゃしゃ)でしたね。しかし、地震が永久に無いとはいえないのですから、その時になって慌てないようにしたほうがいいと思います。阪神だって地震のない地域といわれていたのですから。

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