[097]「ぼたもち」と「おはぎ」

もち米を炊いて周りにあんこをまぶしたシンプルは和菓子「ぼた餅」は「牡丹餅」と書きます。おはぎは「お萩」と書きます。食べる季節が違うだけでこの両者、実は同じものです。

ぼた餅は春のお彼岸に食べるものです。おはぎは秋のお彼岸に食べます。お彼岸とは、春と秋の2回、春分の日と秋分の日の前後3日間ずつを加えた計7日間のことをいいます。

春分の日と秋分の日は昼と夜の長さがほぼ同じで、太陽が真西に沈みます。真西には極楽浄土があるとされ、お彼岸の時は極楽浄土が一番近いために、ぼた餅を供え先祖の霊を供養し、お墓参りをするようになりました。こちら(此岸=現世)からみた向こう側の極楽浄土を「彼岸」というわけです。

ちなみに花札の絵柄となっている「牡丹」の札には「蝶」が描かれ六月を表し、「萩」には「猪」が描かれており七月を表しています。花札は各月ごとに花鳥風月をとりれた風流なものです。間違っても「猪」を「ブタ」とか言ってはいけませんよー。また「蝶」を「蛾」とか「もすら」とか言ってはいけません。
どうみても「蛾」なんですけどね。