[1077]ギネスブック
世界最高記録を評して「ギネスブックに掲載されている」とよく言われますが、果たしてギネスブックとは実際に存在するのでしょうか?また、その本は買えるのでしょうか?
正解は、その本は存在します。また買うこともできます。ただし「ギネスブック」というタイトルではないのでちょっとニュアンスが異なりますが。
ギネスブックはその昔、ビールで有名なギネス社の社長が仲間とアイルランドへ狩りに行った時、その獲物のうち「世界一速く飛べる鳥はヨーロッパムナグロかライチョウか」という議論になり、なかなか結論が出なかった。そこでこういう「一番の事柄」を集めた本があれば評判になるのではないかと発想したのが始まりです。それから取材が始まり1951年にギネスブックの初版が刊行されました。
ギネスブックの日本語版は1966年に竹内書店が「これが世界一記録がなんでもわかる本」という邦題で発行したのがはじまりで、このときにはまだ「ギネスブック」という題名ではありませんでした。
「ギネスブック」のタイトルで発売された邦訳は、1977年に講談社から発刊されたものが最初です。その後、各社から引き継いで刊行されましたが、2004年版からはポプラ社が「ギネス世界記録」の邦題で発行しています。その名の通り、現在ではギネスブックという言い方はされず、2002年に「ギネス・ワールド・レコーズ(「ギネス世界記録」)」という名称に改称されているからです。
さて、このギネスへの登録方法ですが、まずイギリスのロンドン本部に連絡をします。連絡は英語で行ない、名前、住所、電話番号、登録したい内容やその理由などを書きます。これはウェブからでも申し込めます。
しばらくすると、ギネス本部からの登録についての注意書きなどの返信が送られてきます。それに基づいた資料と共に応募すればいいのです。ギネスには毎年6万件以上もの応募があるため、必ずしもギネスワールドレコードに登録されるとは限りませんが、応募者に対しては必ず返事を送ることになっているので、首を長くして待ちましょう。
登録の内容ですが、何でも世界一ならば登録されるかというとそうでもなく、登録されないものもあります。認定基準は以下の通り。
1.記録達成が証明されること
2.記録が数量化できること
3.今後記録が破られる可能性があること
3などは陳腐化が前提の特許権と似ていますね。また、早食い世界一や最年少出産など、記録を破るのに危険が伴うものや反社会的な要素を含むものは受け付けられません。
登録料は~250(ポンド=2007年3月現在1ポンド226円95銭)。申し込みはウェブからでもできます。ちなみに「ギネス世界記録の日」は毎年11月9日。読者の皆さんもギネス世界記録に挑戦しましょう!
* Guinness World Records への申し込み(日本語版)
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