[666]ノミ行為

競馬の勝馬投票券(馬券)は公設の馬券場で買わなければなりませんが、この投票券の購入を他人から依頼されているにもかかわらず、買わずに代金を自分のものにしてしまうことを「ノミ行為」といいます。

馬券を買うために第三者から預かった金額で、馬券を買わなければ、当たらなかった時は全て自分のものになります。当たった時はその配当金額を支払わなければなりません。こういう私設馬券場みたいな行為を競馬法では禁止しています。違反者は5年以下の懲役又は500万円以下の罰金と大変厳しいものとなっています。

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第30条3項
中央競馬又は地方競馬の競走に関し勝馬投票類似の行為をさせて財産上の利益を図ったもの
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ノミ行為は違法ですが、馬券購入を委託することは違法ではありません。従って第三者にはノミ行為かそうでないかはわかりにくいため、配当金が出た場合にはノミ行為者は第三者に配当金を支払わなければなりません。ノミ行為自体は違法ですが、第三者の利益を侵害することはできないというわけです。

但し、競馬法には委託購入に関しても規制があります。

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第31条1項
業として勝馬投票券の購入の委託を受け、又は財産上の利益を図る目的をもって不特定多数の者から勝馬投票券の購入の委託を受けた者
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つまり、ついでに頼まれて馬券を買うのはいけれど、それを業(商売)としてやってはいけないということです。違反者は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金となっています。

ノミ行為は暴力団の大きな資金源となっていますので、場外馬券場のノミ屋や自称競馬通の怪しい話には乗らないようしたいものです。馬券は正しく買いましょう。

ちなみに競馬を管轄する省庁は農林水産省。そして競馬に関係する政府職員は馬券を購入することは法律で禁じられています。(競馬法第29条)