[875]国連安保理
国連安保理とは国連安全保障理事会のこと。国連の中でも重要な機関の一つです。安保理は国連の加盟国全部を代表して行動します。安保理の決定を受けた場合、加盟国はそれに従う義務を負っています。
安保理には「拒否権」を持つ5つの常任理事国(アメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシア)と、「拒否権」を持たない10の非常任理事国から構成されています。非常任理事国の任期は2年と短く、また続けて非常任理事国になることができません。したがってどの国も非常任理事国ではなく常任理事国になりたがるのです。
常任理事国はいずれも第2次世界大戦で勝った側の国々です。そもそも国連(国際連合)とは連合軍のことであり、対するイタリア、ドイツ、日本は連合軍からすれば敵対国。中国や韓国が日本の常任理事国入りを否定するのは敵対国である日本を常任理事国にする必要はないという考えによるものです。国連に入れてもらってやってるだけありがたいと思え、というのが中国などの考えです。このあたりは日本の教育では避けている部分でしょう。事情を知らない人も多いのではないかと思います。
一方、日本で一番常任理事国入りを願っているのは外務省。外務省は戦争責任を負う日本の為に世界中に「支援」という名目でお金をばら撒いてきました。その恩恵に預かったアジア・アフリカ諸国は少なくありません。日本に多額の支援を受けたために日本に対して常任理事国入りを支援する国も多いことは確かです。国連事務総長のアナン氏も日本支持派です。アナン氏はアフリカ出身ですがアフリカには多大な支援をしている日本なのです。
一方で中国や韓国はどうでしょう。中国や韓国は日本から多大な支援を受けていながら日本の常任理事国入りを支持しません。これもまた外務省の面白くないところでしょう。
今年の4月には中国の各地で日本の安保理常任理事国入りに反対して反日デモが多く行なわれました。しかし中国は公式には日本が常任理事国に入ることに反対はしていません。中国は常任理事国ですから拒否権があります。つまり中国が反対すれば国連憲章の改正ができず、日本の常任理事国入りはあり得ないのです。
小泉内閣は常任理事国を悲願としていながら、靖国問題など中国に対してはやや反抗的です。本当に常任理事国入りを願うなら、ここは一つ一歩下がって大人の外交を期待したいところです。
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