[18]教育の基本理念

2019年3月21日

第18回
■教育の基本理念
難しいことは、さて置いて、儒教の国日本は明治政府から引きついだ理念があったようです。国体は万世一系の天皇を中心に臣民は其の下にあると云う考え方でした。ですから国民に示す方針は何でも勅語と云って発布されたものです。
まず式日には在校生全員が講堂に整列させられ、正面の教壇の後ろのカーテンが開けられますと、天皇両陛下のご真影が現れます。その前に立った校長先生がモーニング姿で白い手袋を着けて、恭しく「教育勅語」を読み上げるのです。全校生徒は直立不動でこれを聞いているのです。咳払い一つ聞こえません。
これは「朕想うに」から始まる明治天皇が発布された勅語です。「朕」とは天皇の・・自分と云う意味です。言うなれば自分はこう想うから、臣民はこれに従へ・・と云うことだと想います。
私達は此の趣旨に従った教育をされて来たのです。それが授業の毎日時間がある「修身」と云う学科です。誰が起草した文か知りませんが、此の短い文の中人間としての生き方を示したものは実に立派なものです。此の勅語は天皇が云ったと云うことから、終戦になった昭和20年に廃止されて仕舞いました。
だからと言うことは出来ないにしても、戦後の人達には人間としての生き方を教えなくなったので、いじめだの不登校だの万引きだのと云うことを平気でするような人間ばかりになったような気がします。戦前の子はそう言う事は絶対にしませんでした。みんな「正義感」が充実していましたから、弱い者いじめは絶対にしなかったのです。
心あればもう一度「教育勅語」を読んで見たら如何ですか?世の中に生きるための最低のルールが法律です。子供のしつけ教育とは、親は学問を教えるのではなく、良いことか悪いことかをしっかりと子供に植え付けなければならないと思います。
小学校に入ると色々な学習がありますが、一番多いのは先程の「修身」で次が「国語」で「算術」です。
丁度私らの学年から文部省検定「国語読本 巻一」で「サイタサイタ サクラガサイタ」と云うものでしたが、一年前までは「小学読本」で「ハナ ハト マメ マス」だったと思います。
学校で一番楽しいことは、何と云ったってお弁当でしょう。お母さんの作ってくれたお弁当をみんなでワイワイガヤガヤしながら、お母さんの手作りの弁当を食べるのです。
そっと窓から校庭を見ると木陰のそばにあった水飲み場で水を飲んでいる子もいたんです。学校給食のなかった時代ですから家庭で子供の弁当も作ってやれない親もいたのです。
家庭の状況によっては弁当のおかずも様々です。弁当は持ってきてもおかずと云えばタクアンと梅干し一つ・・なんて云うのはざらでした。戦後はそう言う差別がないようにとの配慮から学校給食が始まったのでしょう。でもその給食費も払えない子もいたようです。

教育勅語と軍人勅諭―こうしてぼくらは戦争にひきこまれた
韮沢 忠雄
新日本出版社 (2002/06)
売り上げランキング: 307,419

amazonで「教育勅語」を探す
楽天で「教育勅語」を探す