[29]戦争の足音

2006年11月1日2019年3月21日

第29回
■戦争の足音
昭和七年に起きた「血盟団事件」続いて５．１５事件・・そして昭和１１年２月２６日に起きた陸軍青年将校によるクーデターとも云える所謂２．２６事件。此の事件はあまりに有名ですから知っている方も多いと思いますが、筆者なんかは当時は小学生ですから、あまり詳しく状況は知りません。
昭和天皇が彼らを反乱軍と決めつけたことから、たった四日間で収拾されたようですが、当時の大臣などが沢山殺害されたようです。香椎戒厳司令官がラジオで「兵は帰れ」と怒鳴っている声は聞きました。
こうして青年将校が唱えた「昭和維新」の夢は消え去り、軍法会議で首謀者十七名は即刻死刑。罪名は「反乱罪」で、七月十二日に代々木練兵場で銃殺されたそうです。
これを契機に東條英機大将の率いる統制派が陸軍の主流となって、戦争への道をひた走ることになったのです。
そして昭和十二年七月七日・・前にも述べました支那北京近くの廬溝橋で支那軍と衝突し、日支事変が起きました。
ご存じの通りこれが日中戦争と云うものの始まりで、第二次世界戦争に繋がって行きます。
また後に戦争のことは書くつもりですが、戦争を意識し始めたのは世界大戦が始まった昭和１６年１４才くらいの時でしたから、それまでは意識の中に存在しませんでした。
こうした重苦しい時代に、国民がビックリするようなニュースが飛び込んできた。みんな此のニュースに飛びついたようですが子供にはあまり歓心がなかったです。
＜阿部　定事件へ続く＞

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