[34]昆虫たちの世界(蜘蛛)
第34回
■昆虫たちの世界(蜘蛛)
私達の子供の時は、外でも家の中でも、食べ物でも、何から何まで「虫」と共存していましたね。それが有益のものから害虫まで。それで何万年も共に生きて来たのですからね。「虫」達の居なくなった現代では、色々な障害も起きているのでは内でしょうか?
《蜘蛛(くも)》
一番なじみ深いのは「蜘蛛」ですね。だからと云って子供達の遊び相手になった訳ではありませんが、其の生きる執念みたいなものを感じさせます。
子供達は先程も書きましたが、他の昆虫を捕るために糸を利用することはありましたが、蜘蛛を飼育する様なことはあまりしなかったと思います。あのグロテスクな姿形はあまり好きにはなれませんし、形の小さな、空中に網を張らない蜘蛛の中には「毒蜘蛛」なんかも居て、刺されたら大変な蜘蛛もいましたから、うっかり手も出せない状態でした、
しかし「蜘蛛」だって生きている訳ですから食べ物を捕らなくては成りません。屋外に居る「蜘蛛」は大抵大きなものです。「鬼蜘蛛」とか「女郎蜘蛛」とか子供達は云って居ましたが、黒い体に黄色い縞模様の入った、いかにも凄い感じの大きなものです。体長は5?6cmもあったでしょうか?足を伸ばせばこれの倍くらいにはなったでしょう。
此の「蜘蛛」は大抵電信柱に登って、電線に巣を張ります。しかも夕方近くになると、沢山の蜘蛛が自分の巣作りと云うか、網を張るんです。
不思議なことに、平行している電線には張らないのです。必ず上下で、見ていると、まず自分は高い方に登ります。そして尻から糸を吐き出します。その糸は1本ですが、風に揺られているうちに下の電線にくっつきます。その調子で何本か垂らしますと縦線が数本出来ます。すると「蜘蛛」はその縦線にグルグルと移動しながら糸を吐いて、綺麗な網を作るんです。
電線に作るのは相当大きな網の巣です。ですからかかる獲物も大きいのです。ですけどその網を張るのは大変だと思いますが「蜘蛛」は一心不乱にやっています。途中で止めることはありません、途中でいたずらして壊してしまう子がいても、また元の様に作ります。作ったら隅の方に引っ込んで、獲物がかかるのをジッと待っています。
直ぐに蠅や蚊などの小さなものが罹りますが、見向きもしないようです。大きな「蛾」とか「蝉」「トンボ」「蝶」等がかかると出て行って獲物を糸でグルグル巻きにしてしまいます。
一度此の網に「雀」が罹ったことがありました。大抵は「雀」は網を破いて逃げ去りますが、これはバタバタともがいていました。そしたら「蜘蛛」が出てきて「雀」に糸を巻き付け始めました。見てて壮絶な戦いに見えましたが、網にかかったら負けです。姿が見えなくなる程糸に巻かれました。一日待っても全然獲物がかからないこともあるのですが、「蜘蛛」の辛抱強さには敬服します。
「蜘蛛」の種類も沢山あると思いますが、当時は家の中にもやたらと入り込んで網を張ります。特にお風呂場なんかは多かったですね。それに比較的大きなヤツで、目の前にいるとゾーッとすることもありました。外の「蜘蛛」は隠れていることが多いですが、家の中に居るヤツは巣の真ん中に居ることが多いからです。
又凄く小さい「蜘蛛」も居ました。小さな植木の枝の生い茂った低い場所に、ソッと枝をかき分けて見ると、普通の蜘蛛の網ではなく、一面に張りめぐされて、まるで一見すると真っ白な糸の塊のように見える巣です。
「蜘蛛」は何処にいるのかな? と小枝の先でその巣を刺激してみると・・餌だと思って何処からかスーッと素早い早さで出てきます。こう云う巣が至る所にあるのです。子供が蜘蛛をからかう・・と云う構図です。
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