[42]子供時代の趣味2.写真・カメラ(1)

2019年3月21日

第42回
■子供時代の趣味2.写真・カメラ(1)
前にも一寸触れましたが、父が写真の趣味を持っていましたから、小さい頃から興味は持っていました。父が持っていたカメラは六桜社のベス単「パーレット」と云うものです。
六桜社の創業は大正14年にドイツのコンテッサネッテル社のピコレットを模したボディに輸入レンズとシャッターを取り付けたもので、レンズは単玉、使用フィルムはベスト版8枚撮りと云うものでした。それまではフィルムはボディの側面の蓋を外して装填するものでしたが、昭和8年から裏蓋開閉式になったようです。
それと前板のファインダー金枠がついていましたから、父が購入した年代は昭和6年製だったようです。六桜社は日本草分けのカメラメーカーであり、フィルムも「さくらフィルム」で有名でした。
毎晩父は仕事から帰ると、家中の電気を消して赤い電球を付けて何かやっていましたが、後で考えて見たら自分で現像焼き付けまでやっていたようです。そこまで自分でやるとは「病膏肓」の部類ですね。しかし父親が摂った写真は今は二枚しか残って居ません。うち1枚は私と妹が物干し場で盥で素っ裸で水浴びしている写真ですが、ピンぼけでオマケに変色していてはっきりとは見えません。ですけど二度と帰ることのない昔の映像は本当に貴重なものですね。
ちなみに六桜社はその後「小西六写真工業株式会社」となり、その後「コニカ」となり、「ミノルタ」と併合して「コニカ・ミノルタ」となりましたが、今度は「ソニー」となるそうですね。
《日光写真》
まだ「写真機」等を買って貰えない年代の時は「日光写真」で遊んでいました。「日光写真」と云うのは、印刷された白黒のネガがあって、それを好きな絵を選んでハサミで切ります。そして付属のガラス板の入った額縁のようなものに、そのネガを入れ、そしてその後ろに感光紙を入れて閉じます。
そして天気の良いときにそのガラス面を日光に当てて小一時間くらい置いておきますと、其の感光紙にネガの画像が映るんです。色々な絵がありますから、それを取り替えて又同じ事をすれば何回も出来ますが、「写真」と言うより子供のオモチャですね。
《映写機・幻灯機》
これも子供のオモチャの部類です。「映写機」はブリキで出来ていて、40W位の電球を入れて、本物の35ミリ映画を映すんです。フイルムを装填して部屋を暗くして、敷布をスクーリン変わりにして、ガラガラと手回しで写すんです。映画は本物のチャンバラ映画でしたが、短くてせいぜい2?3分位で終わりです。これも遊びに過ぎず、一回見たら大抵放ってしまいます。此の当時のフィルムはセルロイド製だったので引火し易く非常に危険でした。
「幻灯機」も殆ど「映写機」と変わりませんが、違うのはフィルムは使わずに、一枚一枚のポジフイルムを写すものです。ですから風景などが多く、交換して絵を見るだけです。自分で「写真」を作るのではありませんから、子供の遊び程度です。
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