[41]子供時代の趣味1.読書

2019年3月21日

第41回
■子供時代の趣味1.読書
子供の時は誰でもそうでしょうが、猛烈な知識欲があるものですね。ですが今の時代と違って情報源はラジオのJOAKとか新聞しかない時代だった訳ですね。ラジオはJOAK(のちのNHK)しかありませんから、相撲の実況やオリムピックの実況などは聞いていましたが、あとは株式の実況放送が殆どで面白くはありませんでした。そこで情報を求める手段は、読書しかないですが、読書では知識は入りますが、日常の情報は得ることは出来ません。そう云う世の中でした。ですから大きな話題は、お母さん方の井戸端会議か近所の伯母さん達の噂話が殆どだった訳です。
私達の時代には「漫画」の雑誌などは皆無でした。母は「漫画なんか見るんじゃありませんよ」と云われました。本屋に行けば漫画の単行本は何冊か出ていました。「冒険ダン吉」とか「のらくろ二等兵」とか「寄らば切る蔵」とかあまりありませんでしたね。この中で「田河水泡」の「のらくろ」シリーズは始め二等兵だった「のらくろ」が連隊長にまで出世するもので、当時は大分人気があったようです。
こう云う本は高くて僕たちのお小遣いではとても買うことは出来ませんでしたから、専ら行くのは古本屋です。
先ず買う本は講談社の「少年講談」でした。これは定価が1円もしたんですが、古本で10銭で買えました。これはシリーズもので何巻あったでしょうか? 一月に買えるのはせいぜい2冊くらいですからね。1冊が5?6cmもある本で、1冊読み切りです。例えば「雷電為右衛門」とか「猿飛佐助」とか「真田十勇士」とか「荒木又右衛門」とか「霧隠れ才蔵」とか時代物の物語です。百冊くらいあったかな? と思いますけどね。兎に角沢山ありました。次には非常に興味を持っていた雑誌です。一番目が「写真」関係の雑誌で月刊誌です。これも出たばかりの新本は買いません。古本屋に出れば値段は10分の1位になりますから、大体10銭くらいになります。写真雑誌の名前は忘れましたが「写真画報」だったかな? 程度ですが厚さが2cmくらいあった雑誌でした。
次には誠文堂の「子供の科学」です。これも月刊誌でしたが、中身は「電気機関車」の模型の作り方を「山北藤一郎」と云う人、そして「蒸気機関車」の作り方を「田口武二郎」と云う二人の先生の解説から設計図まで、微に入り細に渡って書いてある専門書でした。確か昭和5?6年頃からですから、遡って古本を集めることにしました。大変な量です。此の雑誌は一回読めばいいと云うものではありませんから、何時でも見られるように保管しなくては成りません。このために本箱を母に買って貰いました。
次には月刊誌てすが、これは毎月母に買って貰った雑誌です。一つは「少年倶楽部」で、もう一つは「箪海」(たんかい)と云う雑誌です。(もしかしたら字が違うかも知れません)。
大体夢中で読んだ本、雑誌は以上のものです。学校で習うようなものは読んでいませんてした。
飯田昭一
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