[48]子供時代の趣味3.竹細工(4)凧(たこ)-1-

2019年3月21日

第48回
■子供時代の趣味3.竹細工(4)凧(たこ)-1-
お正月と云えば、子供も大人も「凧上げ」に夢中でした。日本橋では前にお話しした「昭和通り」の真ん中の砂利の場所が「凧上げ」の絶好の場所でした。あまり電線もなかったので、子供は「奴凧」程度のものから、せいぜい「角凧」の小さいものでしたが、大人は本格的の「角凧」が主でしたね。
子供が買うのは駄菓子屋で2銭くらいの「奴凧」か5銭くらいの「角凧」で、お小遣いのある子はオモチャ屋で「飛行機凧」なんかも買っていました。此の「飛行機凧」と云うのは、全く飛行機のような格好をしていて、胴は三角で、糸目は四本で風に向かえば上がりますが、せいぜい5mくらいです。値段は少し高く10銭でした。
風の強い日の子供達の遊びは「凧上げ」ばかりではありませんでした。なんて云う名か忘れましたが、円形に切ったボール紙の輪を転がすんです。
先ず直径20cmくらいの丸いボール紙に、中心に点を書き、そこから半径5cm位の円を書き、中心の点からその円に向かって放射状に8分割の線を書きます。そしてその線をナイフで切って行きます。すると8個のヒダが出来ますね。其のヒダを互い違いに外に折り曲げるのです。
そうすると丸いボール紙に三角のヒダが片側4個ずつ出来ます。これで円盤の出来上がりです。
風の強い日に昭和通りの真ん中から、このヒダのついた円盤を転がすと、もの凄いスピードで転がって行き、アッという間に消えていってしまいます。子供達は追いかけて行きますがとても間に合いません。こんな遊びもありました。
小石川に移ってからは「凧造り」に専念しましたね。オモチャ屋や駄菓子屋で売っているものは、小さな子が原っぱや空き地で短い凧糸で、駆け足して凧を引きずっている程度のもので、凧を上げる・・と云う代物ではありませんでした。又凧の専門店もあって、武者絵や龍字の書いた大きな立派な凧も売ってはいましたが、子供には手の出るような値段ではありませんでした。
凧の種類もいくつかありますが、子供向けには「奴凧」「飛行機凧」「角凧」などで、張ってある紙が洋紙のペラペラで印刷された絵のもので、値段も安いものでした。
高級なものは、「六角凧」や「角凧」が主で、特に「角凧」には「唸り」付きのものまであり、大きさも縦1mを超すものもざらにあり、紙も殆どが和紙で絵も立派なものが多かった様です。
糸目も大きくなればなるほど多くなり、10本以上のものもあって、しかも長いです。安物の凧の糸目は大抵3本くらいです。「六角凧」は相当大きなものもありました。これは六角形で横桟は二本で、縦に中央に竹の丸棒が1本あるだけで、此の丸棒を外すと丸めて持ち運びが出来る凧です。尻尾も1本で済みますし、大きいものは縦1m以上のものもありました。糸目も少なく、でも良く上がる凧でした。
その他には小さな凧を沢山同じ糸に付けて飛ばす「連凧」もありますが、普通はやりません。
自作の「凧」は大抵「角凧」です。大きさは横幅50cm、縦長80cm位の比較的大きなものを作っていました。これは目的があったからです。
これは「喧嘩凧」を作るためです。友達達と凧揚げの競争するのは、どちらが高く上げるか・・ばかりではなく、凧どうしを絡ませて相手の糸を切ってしまう・・と云う喧嘩凧の遊びです。勿論糸を切られれば凧は何処かに飛んで行ってしまいますから、負けられませんね。だから強い凧を作るんです。
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