[60]運動会?騎馬戦?
第60回
■運動会?騎馬戦?
春と秋には運動会がありました。内容は現代と変わりはありませんが、競技には親はあまり参加しなかったような気がします。今と違って服装が違っていたからかも知れません。
子供達は新しい「裸足足袋」を買って貰うのが嬉しかったです。「裸足足袋」とは、薄い布で出来た「足袋」と同じです。軽いから競争なんかには良かったようですが、私は徒競走はあまり早くなかったので苦手でした。得意なのは「帽子取り合戦」と「騎馬戦」でした。子供の時から「腰が強い」と云われていましたから「相撲」は強かったです。
「帽子取り合戦」とは、1クラス60人ほどでしたから男は2組で120人くらいになります。生徒は半分づつ「赤帽」と「白帽」に別れ、向き合って対峙し号令によって、一斉に「ワーッ」と相手の帽子を取りに行くんです。帽子の紐は固く頭に縛っていますが、弱い者は直ぐに取られて仕舞います。
取られたら被り治すことは出来ません。自分の陣地に戻って見ているだけです。適当な時間が過ぎると担当の先生がホイッスルを吹いて終了し、帽子を取られなかった子の数を数え、多く残った方が勝ちです。勝った方は「バンザイ」と大きな声で三唱します。見ていた親たちも拍手で答えます。
午前の競技が終わるとお昼です。私は二人の妹が同じ学校に居ましたから、その下の妹二人と弟一人を連れて両親が弁当を持って応援に来ていてくれましたから、お弁当は楽しみでした。運動場の廻りにゴザを敷いている姿は昔も今も変わらない情景だと思いますね。
最後の方になると高学年・・六年生だけの「騎馬戦」があります。これも男子生徒120名が半分づつに別れ、それぞれ3人が「馬」を造り、一人がそれに乗るんです。つまり4人で一つの「騎馬」が出来るんです。片側15騎づつです。体格の大きく頑丈な者が大抵「馬」です。片方の騎手は「赤帽」でもう片方は「白帽」です。戦いは騎手が帽子を取られたり、馬から落ちたり、馬が崩れたりして騎手が落ちたら負けです。
これは勇壮なゲームでした。私は躰が普通で、大きい方でなく相撲も強い方でしたので、いつも「騎手」でした。だけど「馬」をしている者は本当に大変でしたよ。先頭の一人に後ろ左右に一人づつが、両手を組んで「騎手」を乗せているから、手は使えません、そして相手とぶつかり合うし、「騎手」は相手の「騎手」と取っ組み合いで、帽子の取り合いをしているんですから、頑丈な「馬」でなければ直ぐに潰れてしまいます。
こうして先生のホイッスルで終わりますが、残った「騎馬」の数で勝負が決まります。勝った方は「バンザイ・バンザイ」ですが負けた方はションボリしてましたね。この頃の子供達はこれだけ激しい競技をして、馬から落ちても怪我をしたなんて子はいませんでしたね。
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