[90]蠅と結核

2019年3月21日

第90回
■蠅と結核
しかし、「蠅」も多いですね。汚い物、犬猫の糞や食べ物などには、色々な「蠅」が群がっていますね。薬屋から「蠅取りリボン」を買ってきて、そこら中にぶら下げておくと忽ち真っ黒になるほど「蠅」がくっついて来ます。魚屋の威勢の良いあんちゃんが、蠅の付かない魚なんか売れるか、なんて云っていましたよ。そのせいかどうか知りませんが、あれだけの蠅がそこら中に黴菌をまき散らしていたのに、そのせいで病気になった・・なんて云うことは聞いたことがないのは不思議ですね?
私達の世代はこう云う黴菌だらけの中で生活して来た訳ですが、最近では「除菌、除菌」と何でも菌を抹殺していますが、健康に良い菌だって居たはずですから、この頃は病気も却って増えているような気がしますね。
病気と云えば、風邪くらいは昔もありましたが、大流行なんて無かったような気がします。恐ろしいのは一番が「肺結核」でしたね。昔は「肺病」と云って、あの家は「肺病」と云われると「村八分」みたいにされてしまいます。家の雨戸は閉めっぱなしで、母親からあの家の側には行ってはいけません・・などと云われていました。ですからその家は人が住んでいるのか、どうか分からないような感じでした。
「肺結核」は当時は不治の病でしたからね。これは伝染病でしたから、一番恐れていたのではないでしょうか。学校でも身体検査と云うとレントゲン検査が主でしたもの。「結核」かどうかは頻繁に「ツベルクリン」反応の検査と「マントウ注射」はいつもやらされていました。
「ツベルクリン反応」が5ミリくらい以上になると「陽性」とされたようです。「結核」にならないまでも「肺浸潤」と云われた者も多かった気がします。
でも健康な体の人は、例え罹っても自然に治ったようです。その跡があるそうです。
その他の病気は「チフス」か「猩紅熱(しょうこうねつ)」とか「コレラ」などでしょうが、流行にはならなかったようです。各家庭にはみんな「鼠」を飼って?居ましたからね。「花粉症」なんて聞いたこともありませんでしたよ。「蕁麻疹」はたまにはありましたが「アトピー」なんて云うのは聞いたことも無かったです。