[121]戦争への突入

2019年3月21日

第121回
■戦争への突入
私が生まれた昭和2年から昭和12年の10年間は、子供の世界では平和な本当に良い世界でした。しかし子供の世界から一歩外に目を向けると、今まで書いて来ましたような色々な事件の連続でした。
中でも政治社会のテロ殺戮、共産主義や社会主義或いは無政府主義だの横行して、それを弾圧しようとした特高警察との戦い、特に軍部の権力、派閥争いで多くの善良な国民まで巻き込んだ様相を呈していました。
それもそれだけで済んでいたなら良かったのですが、陸軍の「統制派」が実権を握り、東條大将が政治に携わるようになってから、二・二六事件の翌年・・・昭和12年7月に「支那事変」が勃発して、子供の世界ばかりではなく、国民すべてが否応なしに戦争に引きずられる世界になってしまいました。
ここから国民は避けることの出来ない激動の世の中になってしまったのです。これから書き綴るとしたら、この戦争経験を避けて通ることは出来ません。昭和12年は私はまだ10歳で小学校五年生です。ここまで書いてもまだ小学校も卒業していません。
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