[03]路上生活者の現実

セブンでビールを3本買いホテルに戻る際に老人の路上生活者に出くわした。タイの習慣で「徳」を積む為に路上生活者にお金を上げるのは当たり前の行為。久々のタイで浮かれていたこともあり、路上生活者と話をしてみることに。

2007年11月。
1年ぶりの訪タイになるだろうか。夜中にバンコクに着きスクンビットの安宿にチェックイン。
夜のバンコクの街を散策中に起こった出来事。
セブンでビールを3本買いホテルに戻る際に老人の路上生活者に出くわした。タイの習慣で「徳」を積む為に路上生活者にお金を上げるのは当たり前の行為。久々のタイで浮かれていたこともあり、路上生活者と話をしてみることに。
筆者   「どこから来たの?」
オッサン 「スリンって街から半年前に来たんだ。心臓の病気を持っていてスリンでは仕事にありつけないからバンコクにきたけど、ここ2,3ヶ月こんな感じで暮らしているよ。」
筆者   「毎日ここで物乞いしてるの?」
オッサン 「ここで起きて、ここで寝て、物乞いして、お金がたまったら飯食って。。。そんな生活さ!!」
ビールを飲みながら話していたので、オッサンにも1本あげてスリンのこととか、バンコクの生活、いろいろと話した。そこで一つ気になる発言が。。。
それはサッカーの話になったときである。
オッサン「日本は中村や中田、稲本に高原いい選手がたくさんいて凄いよな。でも俺の予想じゃ次回のワールドカップは厳しいね。だってアジア枠とオセアニア枠が一緒になったしな。」
路上生活者にしてはサッカーについてカナリ詳しい。元々タイではヨーロッパリーグのサッカー中継が毎日のように行っており、賭博(違法ですが。。。)も盛んに行われている。
筆者   「オッサン やけにサッカー詳しいねぇ。 今でもサッカー賭博やってるの?」
オッサン 「…」
筆者   「別に隠さなくてもいいよ、俺もそういうの嫌いじゃないしさ。」
オッサン 「実はスリンにいた時は毎日のように賭博やって、財産全て失って、嫁と子供は実家に帰っちゃって、独り身でバンコクに来たのだよ。。。」
低所得者によくありがちな話である。
話もちょっと暗くなったので、また今度ということでその場を後にする。ホテルに帰りタイって貧富の差が激しいことを実感。飛行機で寝ていたこともあり、なかなか眠れず、3時半頃に散歩がてらコンビニに行くことに。
すると2,3時間前にいた路上生活者のオヤジがいなくなっていた。
次の日の夜に、また同じ場所にオヤジに会いに行き、昨日の朝方どこにいたか聞いてみると、「家に帰った」とのこと。
なんだ家あるんじゃねぇーかよ!!
タイでは職業「路上生活者」というのがあるのだ。
彼らは夕方になると、元締めが所有するトラックに乗り、各エリアに配属されるとのこと。
路上で空きカップを手にお金をねだる。
そしてバーやレストランが閉まる夜中の3時頃になると、またトラックが来て家に帰るんだって。
勿論全ての路上生活者がそうと言う訳じゃないけど、一部の人々は路上生活者を仕事として生きている。
タイってわかんないなぁーってお話でした。
カンチャナ タマサック