第一日目の観光は、早朝にアンコールワットでサンライズ、いったんホテルに帰って、午前中はアンコールトム観光、午後はアンコールワット、そしてプノンバケンでサンセット、というのが定番です。そして観光が終わると夕食が待っています。これも観光客向けのレストランがあり、そこでアプサラの踊りを見て一日が終わるというパターンです。
夕食のレストラン(KOULEN Restaurant)は舞台つきの屋外レストラン。客席には屋根がない。お決まりのアプサラダンスを堪能する。(2006年4月8日撮影) |
アプサラとは天女のこと。その天女が舞う踊りをアプサラダンス(アプサラの舞い)といいます。
アプサラの舞いは神への祈りとして捧げられたもので、その源流はインド文化にあるといわれますが、今の形となったのは9世紀ごろのカンボジアとされます。当時は宮廷舞踊として珍重され、アンコール遺跡のレリーフにもこの踊りを多く見ることができます。
アプサラの舞と同じような踊りはタイでも見ることができますが、これはカンボジアから輸入されたとか。カンボジア王国は15世紀にタイによって制圧されましたが、そのときに宮廷舞踊団もタイに連れて行かれ、アユタヤ朝の踊りとして定着しました。後にこの踊りがカンボジアに輸入され今日に至っています。つまりこの踊りはカンボジアが発祥。その後タイに渡ったというのが正解です。カンボジアの人々はタイに対する感情は微妙で、自分の方が「タイよりも先」「タイよりも上」という考えがあるようでこんな踊りのいわれにも、タイとカンボジアの確執の一面を見ることができます。
アプサラの舞いはシェムリアップのレストランで気軽に見られる踊りですが、数年前ポルポト時代にはあらゆるものが否定され、このアプサラの踊りも例外ではなく、先生や踊り子の多数が処刑されたという事実があります。ひどい時代を潜り抜けてきた伝統の踊り。しかし今、舞姫たちの表情にはそういう重さを微塵にも感じさせない優雅さと誇りが満ち溢れていました。
アプサラダンスを見ながらの食事はバイキング。焼き物などは人気で行列ができる。しかし見渡すとすいているところもあるので効率よくゲットしたい。写真はおそらく一番無難な「チャーハン」。ほっとするほどうまい(2006年4月8日撮影) |