[31]シェムリアップとは?

シェムリアップとは「シェム(シャム=タイ)を追い出した(REAP)」という意味。つまり戦勝の地なのです。といっても追い出したのはフランス。フランスはタイを追い出しましたが、代わりにカンボジアを植民地としました。領土は取り返してくれましたが、代わりに遺跡にある財宝や美術品をフランスは持ち帰ってしまいました。まさに戦争の歴史そのもののカンボジアです。観光客を見ても、過去の歴史を考察しているのか言葉からアメリカ人ではなくヨーロッパ人が多いことに気づきます。

「タイを追い出した」なんて地名があれば、タイ人はよく思わないでしょう。そのとおりで、カンボジアとタイ、もしくはカンボジアとベトナムはそれほど仲良くありません。過去に散々戦争をしてきたわけですから。タイやベトナムで買ってきた民族衣装などをカンボジアで身に着けることは危険ですからやめておきましょう。

また、戦争の話や、政治の話、宗教の話を現地民間人とするのは控えましょう。ガイドさんは心得ているので、疑問点があればガイドさんに聞けば安心です。ただしガイドさんも、日本人を軽く見ているきらいがあるので、心から気を許しているわけではなさそうです。
 


シェムリアップ国際空港。
日本からの直行便はないですが、ベトナム、タイ、中国、韓国からは直行便があります。カンボジアへはここから入り、ここから出るのがもっとも安全。
(2006年4月9日撮影)

[30]アンコールワットの聖池と猿

アンコールワットは宇宙を象徴しているとされます。中央祠堂は世界の中心となるメール山(須弥山=しゅみせん)を表し、周囲の回廊は雄大なヒマラヤ山脈を表しています。その周りを囲う環濠は無限の大洋を表しています。須弥山は地上と天界の交信の場所であり、ナーガ神は神と人間界を繋ぐ架け橋と表しています。
王はアンコールワットの中央祠堂で死後に神と一体化し神王になると信じられてきたのです。
 


西塔門から入って経堂を過ぎると参道の両脇に聖池が現れる。道を外れて左の聖池越しにみるアンコールワットは絵葉書にもなっている撮影スポット。
(2006年4月8日撮影)

 


みやげ物が並ぶ店の前で闊歩する野生のサル。サルは神聖な動物とされるので捕まえてはいけない。しかし、話によれば捕まえて食べてしまうこともあるそうな。カンボジア人は何でも食べてしまうそうで、そういえば犬もあまり見かけません。
(2006年4月8日撮影)

[29]午後はアンコールワット観光


再び西の塔門からアンコールワットに入る。朝は雨でしたが午後は晴れて暑い。
(2006年4月8日撮影)

昼食を済ませると一旦ホテルに帰り休憩。4月とはいえ暑季のカンボジアの暑さは半端ではありません。午睡を兼ねて2時間ほど休憩です。せかせかした日本人は休みなく観光をしたいところですが、ガイドさんをはじめ働く人がお休みなのでそれに合わせるしかありません。
 

門の前には必ずいるナーガ。蛇の神様で行く手を阻むように佇む。
ナーガはインドの宗教に広く取り入れられた蛇神で、猛毒があり俊敏なことで恐れられ、また脱皮を繰り返す不死のシンボルとしてあがめられてきました。
(2006年4月8日撮影)

朝のサンライズ観光は雨に祟られましたが、昼はカラッと晴れてうだるような暑さ。軽装に日よけは欠かせません。あと水分補給に水のペットボトルは必ず持参します。JTBのツアーでは買わなくても車の中に用意されていますので飲み放題。紙オシボリ用意されています。こちらの紙オシボリはちょっと香料が入っていて、こんなところでもなんとなくエキゾチックな気分になれます。