昔、タイに住んでいた際、バンコクまで50分の道のりをバスで移動していた。タイのバスには大きく分けて3種類あり
○ 国営のエアコンバス
○ 国営のエアコンなしバス
○ 市営のエアコンなしバス
それぞれ料金はまちまちで、当時は国営のエアコンバスが45円?60円(距離によって変動)、国営のエアコンなしバスが一律9円、市営エアコンなしが一律15円だった。
たった9円で50キロ以上の距離を乗ることもできるが、排気ガスと熱さで死にそうになるので、ほとんどエアコンバスを使っていた。タイのバスは運転手と料金徴収する人がペアになって乗務しているので、いつものように徴収係りのおねえさんに行き先を告げお金を払う。
10分ほどして、ある停留所から、両手に大きな袋をもったおばさんがバスに乗ってきた。
袋は半透明で中にはマンゴーがぎっしり入っている。
料金徴収係りの人がマンゴーおばさんに徴収をしにいくと、なにやら雑談を始め出し、料金を払わずに、マンゴーを一つ徴収係のおねえさんに渡したではないか!!
この国には貨幣が存在しながら、物々交換も可能なのである。
日本ではありえないこの光景を見て、カルチャーショックだったことを今でも鮮明に覚えている。
そして乗務員のおねえさんは運転手の横に戻り、ポケットから小さなナイフのようなものを取り出して、マンゴーをカットし、運転手と分けて食べているではないか!!
運転手も右手でハンドル握りながら、マンゴー食べていて、運転が心配になる。
タイ留学時代バスでこのようなカルチャーショックはたくさんある。
渋滞時に乗務員がいきなり外に出て、屋台で買い物し、バスの中で運転手と食べたり、 停留所じゃないところで突然止まり、運転手が出て行ってしまったこともあった。
心配になってどうしたのか乗務員に聞くと、トイレに行ったとのこと。
5分後にきちんと戻ってきて、何事も無く運転再開。
タイってほんとにわからないわ って思ったお話でした。
カンチャナ タマサック
[01]あれから10年
当時ドンムアン空港からバンコク市内までは車で3,40分の距離だったが、バンコク名物の渋滞にはまると、2,3時間は覚悟しなければいけなかった。初めてタイを訪れた時もこの道は渋滞していた。
今からちょうど10年前の1998年。高校の卒業旅行7泊8日バンコク・パタヤツアーに参加したのがタイとの出会いだった。
今まで発展途上国には行った事がなかったが、凄まじい衝撃は空港を降りてすぐに起こった。
当時ドンムアン空港からバンコク市内までは車で3,40分の距離だったが、バンコク名物の渋滞にはまると、2,3時間は覚悟しなければいけなかった。
初めてタイを訪れた時もこの道は渋滞していた。
バスの中から知らない景色を興味深く見ていると、横には一台のおんぼろバイクがいて、なんと4人乗りをしているではないか!!
運転はお父さんらしき人で真ん中に2人子供がいて後ろから母親が子供を挟んでいる状態。しかも子供と母親は両手に袋を抱えていて、バイクにかかっている負担は200キロ以上だろう。
そんなバイクが、渋滞の中蛇のようにスルスルと前のほうに行ってしまった。
なんじゃこりゃ?とキョトンするオレ。
今度はバイクの横に無理やりリヤカーをつけたようなバイクが来て、バイクに3人リヤカーに4人乗せて(しかもノーヘルで)走っているではないか!!
この光景を見たときに、この国の熱いものを感じだ。
実際に街に出ても、驚く機会がたくさんあった。
物乞いや、子供が働く屋台、ボッタクリ、排気ガスがすごい車…
まさに自分の世代が体験したことの無い戦後の日本のような雰囲気なんだろうと自分なりに解釈していた。
ただこの国の人間は生ぬるい世界で育った日本人とは違い、一人一人の目がギラついていたのだ。
あれから10年何度タイを訪れただろう。
バックパックでの旅行、ホームステイを経て、とうとう大学までタイで出てしまった。
今でこそ10年前の熱い心を持ったタイ人は少なくなってしまったが、この10年間で体験したタイでの出来事をこれから書いていきたいと思う。
カンチャナ タマサック
[43]タ・プロームへ
バンデアイスレイを後にして、カンボジアでは最後のスケジュールとなるタ・プロームへ向かう。巨大な榕樹(ようじゅ=スポアン)に押しつぶされそうになりながらも辛うじて寺院の体裁を保っている有名な遺跡です。創建年代は1186年。ジャヤヴァルマン七世が母のために建てた仏教僧院です。バンテアイスレイに比べると、黒く暗く重たい感じのする遺跡です。
タ・プローム東門の榕樹。回廊を踏みつけるような力強さがみなぎっています。(2006年4月9日撮影) |
事前の調査ではこのスポアンはガジュマル(観葉植物でおなじみのゴムの木の仲間)だと聞いていたのですが、実際に見てみるとかなり雰囲気は違います。まず、この時期(乾季)には葉を落としています。日本ではゴムの木といえば一年中青々としていて落葉はしません。しかし石の間を割り込むように張り巡らす根は、ゴムの木特有の気根だとわかります。
4月はまだ乾季のため、このように落葉するスポアン(榕樹)。(2006年4月9日撮影) |