今からちょうど10年前の1998年。高校の卒業旅行7泊8日バンコク・パタヤツアーに参加したのがタイとの出会いだった。
今まで発展途上国には行った事がなかったが、凄まじい衝撃は空港を降りてすぐに起こった。
当時ドンムアン空港からバンコク市内までは車で3,40分の距離だったが、バンコク名物の渋滞にはまると、2,3時間は覚悟しなければいけなかった。
初めてタイを訪れた時もこの道は渋滞していた。
バスの中から知らない景色を興味深く見ていると、横には一台のおんぼろバイクがいて、なんと4人乗りをしているではないか!!
運転はお父さんらしき人で真ん中に2人子供がいて後ろから母親が子供を挟んでいる状態。しかも子供と母親は両手に袋を抱えていて、バイクにかかっている負担は200キロ以上だろう。
そんなバイクが、渋滞の中蛇のようにスルスルと前のほうに行ってしまった。
なんじゃこりゃ?とキョトンするオレ。
今度はバイクの横に無理やりリヤカーをつけたようなバイクが来て、バイクに3人リヤカーに4人乗せて(しかもノーヘルで)走っているではないか!!
この光景を見たときに、この国の熱いものを感じだ。
実際に街に出ても、驚く機会がたくさんあった。
物乞いや、子供が働く屋台、ボッタクリ、排気ガスがすごい車…
まさに自分の世代が体験したことの無い戦後の日本のような雰囲気なんだろうと自分なりに解釈していた。
ただこの国の人間は生ぬるい世界で育った日本人とは違い、一人一人の目がギラついていたのだ。
あれから10年何度タイを訪れただろう。
バックパックでの旅行、ホームステイを経て、とうとう大学までタイで出てしまった。
今でこそ10年前の熱い心を持ったタイ人は少なくなってしまったが、この10年間で体験したタイでの出来事をこれから書いていきたいと思う。
カンチャナ タマサック
[01]あれから10年
当時ドンムアン空港からバンコク市内までは車で3,40分の距離だったが、バンコク名物の渋滞にはまると、2,3時間は覚悟しなければいけなかった。初めてタイを訪れた時もこの道は渋滞していた。