ガイアックスという低公害の新燃料が発売になって早や2年ほどになるのですが、イマイチ盛り上がらないのはなぜなんでしょう?石油に代わるクリーンなエネルギーを世界規模で実現しなければならないのですが、現実はなかなか厳しいようです。
従来のガソリンに替えて使用できる新燃料はガイアックスといいます。ガイアエナジーという会社が開発したこの燃料は、特殊アルコール系成分を主成分とし、一定の化学物質を加えて熱量・燃費を高めた新燃料。つまりアルコールでできた燃料です。今までにもアルコール系の燃料はありましたが使いづらいものでした。ガイアックスはかなり改良された製品で、ガソリンと同じように気軽に使えます。単独でもガソリンに混ぜても使えます。
ガイアックスは石油系でないため、排ガス中の一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物等が少ない画期的な新低公害自動車燃料です。当初、石油販売業法の適用外であるため、揮発油税、地方道路税が課されず、また備蓄義務の負担もないため、店頭価格でも低価格販売が可能でした。ですが、諸事情により現在では軽油引取税(地方税)が課税されています。価格は約85円から90円くらいで販売されていますが、ハイオクガソリンの性能に匹敵するのでガソリンに比べ約10円~20円位安いことになります。
ガイアックスの特徴は以下のとおり
1.排ガス中のCO、HCを大幅に削減。
2.既存のガソリン車にそのまま使用でき、改造等が全く必要ない。
3.単独ではもちろん、ガソリンとの併用でも、性能的に全く問題がない。
4.燃費効率は、対ガソリン比でほぼ同等(高速走行時は向上)
5.オクタン値98で、ハイオクガソリンの高燃費率を達成。
6.パワー比率も、対ガソリン比で約98%と、ガソリンと同レベルを達成。
いいことづくめのガイアックスですが、行く手をさえぎったものは、二つあります。
まず一つは、税制面。ガソリンではないために、ガソリンや軽油に掛けられてる石油揮発油税や軽油引取税などの税金の課税対象外でした。これらがガソリンと同じように課税されると120円くらいになってしまい、普及しずらいものになってしまいます。現在では軽油引取税のみが課税されていますが、低公害ならばむしろ課税せず、国をあげて普及させるべきではないのかと思ってしまいます。財源確保にしか目が行き届かない政府の体質を見るような気がいたします。
もう一つは既存ガソリンスタンドの反発です。ガソリンより安くしかも高性能で低公害とあっては従来のガソリンは敵いません。当然売れなくなってしまいます。これでは困るので、ガイアックスの税制優遇の批判、性能面での不安材料を盾にガイアックスの普及を阻止しようとする動きがあるのです。
利権というのはどこにでもあるのですが、国民が欲し、地球も欲している低公害燃料に対して、利権がらみのどろどろを見るのはちょっとしのびないような気がします。「総論賛成、各論反対」は世の常でしょうか。なんか「チーズはどこへ行った」を思い出してしまいます。
自動車メーカーも消極的です。ガイアエナジーでは車種別の対応を進めていますが、全ガソリン車に使えるとは限らないのも事実。ユーザーは自分の車に合うかどうかを確かめなければなりません。
賢明な読者ならもうご存知だと思いますが、世の中はもうガソリンエンジンの時代ではありません。代替エネルギーを今すぐにでも使い始めなければ手遅れになるところまできています。折角芽が出てきたこの新しい燃料を是非育てていってほしいと思います。
ガイアックスが自分の車に使えるかどうかは以下のホームページで確認できます。三菱やトヨタの直噴エンジン車、バイク、比較的古い軽自動車には合わない場合もあるようです。
ガイアエナジー
http://www.gaiaenergy.com/
※2011年現在リンク切れです。というか、消えてなくなってしまいました。(2011.02.12)