オーネットで知り合った彼と交際開始。潔い性分の私は、いっそのことオーネットをやめてしまおうかとまで考えたが、結局は特別休止にした。蓋を開けてみれば大人な判断だったと思う。何しろ、1ヶ月そこそこで彼との交際は終焉したのだ。
理由は実に曖昧で、価値観の違いとでも言うのだろうか。ええ年した男女の価値観はかなり強硬ならしく、歩み寄るのは難しい。「この人だ!」と思ったのは思い違いのようで、もう長い間、恋愛とは無縁だったので、勘や感性が鈍っているのかもしれない。お互い特に不便のない生活をしていれば恋愛に執着できないのだろうか。
とはいえ、特別休止は自動的に1ヶ月で解かれ(とりあえず1ヶ月にしていたのかも)、次の紹介書が来ていた。全国版の情報誌も送られてくる。休止にしていても送られてくるのだが、ここで誰かに申し込んでしまうと休止は無効になってしまうので要注意。
情報誌を手に、「スペックだけでわかるかよ?!」と毒づきたくなるが、かといって他に出逢いのチャンスはない。このままでは自分が不憫なような気がして、スペックの羅列を懸命に読む姿は我ながら滑稽だが、こうして毎月送られてくる情報誌に夢を託している男女が全国各地にいるのだと思うと、心なしか心強い。同類相哀れむ?!
その情報誌で一人の男性が目に留まった。データマッチングでヒットしたらしく、相手から申込書が送られてきたものの、前出の彼との交際を目前に、お断り返却してしまった最有力候補者だ。
どうなるかわからない恋に操を立ててしまった生真面目な自分が恨めしい。が、チャンスはあるのだ。一度お断りしても、この情報誌に対して申込が出来るはず。運命の人かもしれない!と懲りない私・・・。断った相手なのだから断られる可能性はあるが、この際あたって砕けろだと思い、申込をしてみた。さて、どうなることやら。
本城愛子