データマッチングで一致した相手から申込書が来て、断ってしまったのだが、後に全国版の情報誌に掲載されているのをみて、逃した魚は大きい?!とばかりにこちらから改めて申し込みをしてみた。
ところが、一度お断りした相手には『お取り次ぎ』ができないということで、コンピュータ自動システムから取り次ぎ不可の連絡メールが入る。ちょっと残念な気もしたが、別件ついでに担当者へ「絶対無理?」と尋ねてみた。すると、事情によっては相手の方の承諾が得られればできるということらしい。
紹介書を頂いた当時、お会いしていた男性がいたので、その他一切の紹介書はお断りとして返却しました、と告げると、暗に「すぐに会わずに紹介状は複数確保しておいて並行して…」みたいなアドバイスを頂いた。会わなければ恋愛は始まらないのではないか。また、誰彼に対して中途半端な状態で接して、果たして誠実で真っ当な恋愛が進行するのだろうかと疑問を抱いたが、まあ仕方ない。
なぜ仕方ないかと言えば、それがオーネットのシステムそのものなのだ。『成婚料は頂きません』と得意げに唱っているが、それは成功報酬ではないということだろう。弁護士にしろ、探偵にしろ、成功報酬があるからこそ、がんばってその職務を遂行するのではないか。
オーネットの場合は、成婚すれば退会してしまうのだから、成婚せずに、在籍してくれる方が儲かるわけである。結婚相手を探し続ける男女がいることで利益を生んでいるのだ。新しく入る方には紹介する相手はたくさんいますよ、という売り文句にもなるから、それは実に好循環を生み出している。お相手を紹介はするけど、結婚はしないでね、的なシステムなのだ。
本城愛子
カテゴリー: オーネットの真実-結婚情報サービス体験記- -本城愛子-
シングルマザーが再婚を目指し結婚情報サービスに入会。一体どんな出逢いが待ち受けているのか?果たして再婚にこぎつくことができるのか?
恋愛・結婚市場の動向を検証しつつ、独身女性の本音と生態を描くエッセイ。
[18]交際は早々に終了(;;)
オーネットで知り合った彼と交際開始。潔い性分の私は、いっそのことオーネットをやめてしまおうかとまで考えたが、結局は特別休止にした。蓋を開けてみれば大人な判断だったと思う。何しろ、1ヶ月そこそこで彼との交際は終焉したのだ。
理由は実に曖昧で、価値観の違いとでも言うのだろうか。ええ年した男女の価値観はかなり強硬ならしく、歩み寄るのは難しい。「この人だ!」と思ったのは思い違いのようで、もう長い間、恋愛とは無縁だったので、勘や感性が鈍っているのかもしれない。お互い特に不便のない生活をしていれば恋愛に執着できないのだろうか。
とはいえ、特別休止は自動的に1ヶ月で解かれ(とりあえず1ヶ月にしていたのかも)、次の紹介書が来ていた。全国版の情報誌も送られてくる。休止にしていても送られてくるのだが、ここで誰かに申し込んでしまうと休止は無効になってしまうので要注意。
情報誌を手に、「スペックだけでわかるかよ?!」と毒づきたくなるが、かといって他に出逢いのチャンスはない。このままでは自分が不憫なような気がして、スペックの羅列を懸命に読む姿は我ながら滑稽だが、こうして毎月送られてくる情報誌に夢を託している男女が全国各地にいるのだと思うと、心なしか心強い。同類相哀れむ?!
その情報誌で一人の男性が目に留まった。データマッチングでヒットしたらしく、相手から申込書が送られてきたものの、前出の彼との交際を目前に、お断り返却してしまった最有力候補者だ。
どうなるかわからない恋に操を立ててしまった生真面目な自分が恨めしい。が、チャンスはあるのだ。一度お断りしても、この情報誌に対して申込が出来るはず。運命の人かもしれない!と懲りない私・・・。断った相手なのだから断られる可能性はあるが、この際あたって砕けろだと思い、申込をしてみた。さて、どうなることやら。
本城愛子