「日本がわかる!」以来引き続きおつきあいして下さる読者の皆様、そして新しく読者になって下さった皆様、お待たせしました。今週からは「誰でもなれる国際人」というテーマで、日本と日本人は避けられぬ国際化時代をどう乗り切っていくのか、そして最近特にアジアの国々との交渉が増えてきた私自身の仕事の現場から感じたことを書いていこうと思っています。中国のめざましい発展を中心に地球の人口から見ても圧倒的に多いのは私たち日本人も含めてアジア人だからです。
まず、最近やたらに目にする「国際人」という言葉ですが、何だか日本語として変だと思われたことはないですか?「国際的に活躍している人」「国際的に通用する人」というのが正しい日本語のような気がするのですが。それに書き言葉としては頻繁に登場するものの話し言葉としては使われていない言葉でもあります。ふだん「あの人は国際人だもんね。」なんて言わないですから。
国際化、国際人などという話をすると「西洋かぶれはけしからん。日本には日本に合った良い風習や伝統があるではないか」とおっしゃる方も結構いらっしゃいます。でも、国際人と西洋かぶれや根無し草は違います。まず、きちんと日本人としてのアイデンティティを持つことが国際人の前提条件ではないでしょうか。いくら外国語がネイティブ並みで、その国の人と同じようにふるまえたところで、あなたは日本人としてしか見られていないのですから。その国の人に日本を語れなければ、ただの人間としての価値しかなくなります。言語的なことはもちろん、仕事のことでもいい、文化や風習でもいい、まずは日本を自分なりに説明できることです。