[087]2003年度サンティエール報告

毎年,毎年同じワイン祭りに行くのを同僚はもちろんのこと、周囲の日本人の知り合い達にも飽きられて来た位に私のサンティエールグルマンド通いは今年も続いた。場所はアルザス、それもコルマール付近だから車で行けばこのディジョンから2時間もあれば行けるのですが免許どころか車の運転を知らない私は4時間半かけて列車でぐるりとフランシュ・コンテ地方を回ってアルザス地方へと入る。
アルザスは私の大好きな地方。ブルゴーニュの次に好き。もしいつかこのブルゴーニュを追い出されたらアルザスへ逃げようという思惑もあり、その下調べにワイン祭りを利用していることもあり。毎年参加しているサンティエールでもいつも何か新しい発見がある。それも美味しさの発見。去年はピノ・ブラン種で作ったワインにすっかり魅了されました。今年の私が熱くなったのはリースリングで作ったクレマン。


クレマンというのは発泡性ワインのこと。その製法はシャンパンと同じ。行政上の問題からシャンパンとは呼べずクレマンと名乗る。通常これはシャンパンのようにピノ・ノワールかシャルドネで作るけれどここではアルザスの代表品種であるリースリングで作っていた。さすがアルザスだわ、と感心。この品種の差がまた他の地方のクレマンとは違って美味しい。
ただでさえこの祭りで私の姿は目立つのに(何せ今年も東洋人参加者は私の知り合いと二人だけだったし)そのクレマンを何杯もお代わりする事で更に私はこの祭りで自分の酒豪ぶりを印象付けてしまった。でもこのリースリングのクレマンを味わえただけでも片道4時間半の列車の旅は意義があった。
アルザス人は親切よ。ブルゴーニュ人はちょっと冷たいし、親しくなるまで時間架かるけど、アルザス人は温かい、すぐに親しくなれる。お祭りの間中、私の仏語力なんておかまいなしに話し掛けてくる。「シュークルート(キャベツの酢漬け)は好き?」「ワインは美味しい?」とか。私も酔った勢いのまま大声で「アルザス大好き」と返す。アルザスに住みたい。でもここはブルゴーニュ以上に車社会。そしてアルザス語が私にはまるで宇宙語に聞こえる。これはフランス語とドイツ語が混じって別の言語が生まれたようなもの、アルザス人の会話の輪には全く入れない。でもアルザスのチャーミングは景観と美味しい田舎料理とワインに新しい発見を求めて私はまた来年も行くんだろうな。
サンティエールグルマンド問い合わせ先:
http://www.chatenois-scherwiller.com
夢路とみこ