[144]浦島花子を回避せよ!

テキサスでの留学を終え日本へ帰国したばかりの頃、友人宅で歌謡番組を観ていたときに掻いた赤恥。留学中は周囲に日本人がいなかったことや日本語に触れる時間がなかったから、日本を出た18歳から帰国した23歳の間は日本の情報がすっぽり抜けていた。画面に元気一杯のロックバンドが出た。「へー横浜銀蝿ってまだ頑張ってるんだ!」と発した私の一言に周囲が一斉に沈黙。そして数秒後に割れんばかりの大爆笑。「横浜銀蝿だって、懐かしいー」と黄色い声。何が起きたのかさっぱり分からない私は目を白黒させるばかり。出演していたのは当時人気急上昇のジャニーズ系バンド「オトコグミ」というバンド、5年の空白がある私がそれに気づくはずがない。この赤恥をきっかけに海外で生活する際には日本の情報収集を怠らないことを鉄則にした。情報の範囲も仕事に関係ある政治経済はもとより芸能ニュースやゴシップは欠かせない。


最近はインターネットがあるから本当に便利。日本の情報は良く分かるようになった。でもフランスの情報が文化や慣習の差もありあまり上手く理解出来ない。ニュース番組を観ていても言葉は分かるけどこの国の仕組みがイマイチ分からない。そんな中、私がこちらの生活で参考にしている日本語媒体が幾つかあります。
それぞれ特徴があるので複数を読むことで視野もグローバルに広がります。ニュースダイジェスト内のコラム「フランスの生活コード」は笑いが止まらないくらいに面白い。オヴニーの「レストランガイド」のページはパリに行くときの参考になるし、日本文化を仏語で紹介しているページはフランス人の友人にとても受けています。オブニーを立ち上げた小沢君江さんの自伝も読みましたけど厳しい条件の中、何かを起こす大変さとその逞しさを痛感させられました。そして毎晩観るニュース番組の内容を理解するには「フランスの片隅から」の補助がないとこの国の仕組みは難しすぎる。
ということで最近の私はかつての浦島花子を回避し、フランスにいてもさっきまでおせんべい食べながらテレビにかじりついていたかの如く日本との情報の時差が縮まっています。ネットの発達と在住の日本人社会が広がるに連れてフランスの情報も入手し易くなっています。渡仏前の準備にこれらの情報をご参考にどうぞ。
フランスニュースダイジェスト
http://www.newsdigest.co.uk/?l=ja&s=uk
オヴニー
http://www.ilyfunet.com/
パリで日本語新聞をつくる 小沢君江著 草思社 ISBN 4794205171
夢路とみこ