[174]ムルソー村「歩け歩け」

私が夏を感じ出すのは猛暑でもテラスカフェでもなく「白ワイン」が恋しくなりだしたら。普段は赤ワイン消費が多いのですが、夏はやっぱりロゼと白が倍増する。ブルゴーニュの白はシャブリが有名ですが、ちょっとお金に余裕があるときに手が出ちゃうのが「ムルソー」割り勘の時にこのワインを注文するにはやっぱり周囲の同意が必須な位にちょっと贅沢な1本。だからムルソー村で「グルメ歩け歩け大会」Rando Gourmandがあると数ヶ月前に知った時は歓喜の声をあげてすぐに予約。
今年で2回目の開催となったこの大会の参加者は僅か370名(他の大会はどこも1000名)そして参加者には地元民、地方人、国民そして近隣の外国人に混じって私たち2名の日本人。村役場の入り口には参加者出身国が掲示されていて2名でも堂々とJapon(日本)と書いてあり歓迎の意が嬉しかった。


この手の祭りはたいていが葡萄畑の中に試飲,試食のスタンドがあり炎天下のもと、水とワインとを交合に飲みます。そしてフォアグラの強制飼育のように郷土料理をむさぼりますが、何たって後ろからどんどん人が来るので、でも、人数が少ないから和気藹々。今年は既に猛暑ということを配慮してか、畑の中にスタンドではなく、要所、要所に屋内で椅子とテーブルが用意されていてゆっくりと食事とワインを楽しめました。ワインはそれぞれの個所で1種類しか出ないけれどその分、香りと味わいを堪能できた。何種類も楽しめるのもこの手の祭りの魅力ですが、1種類をじっくり味わうのもこれまた楽しいものです。
参加者は比較的高齢かな、50代アッパーの方々が中心で私より若い人たちはあまり見かけませんでした。一緒に行った知り合いも同年代の現地人同僚から「そんなのに行くの?」と言われるくらいに若い人の関心が低いのはやはりワインがあまり身近過ぎるのか、それとも単にこのようなイベントは定年退職後の楽しみにしておきたいのか。いずれにせよ好奇心旺盛のご年配の人たちと一緒だから楽しいことにはこの上ない。私は名前に「モト」という言葉が含まれているため、とあるムッシュは見かける度にMoto, Moto(オートバイ、オートバイ)カワサキ、ホンダ、ヤマハと何度も愛嬌たっぷりに声を掛けられました。「私はハーレーだ!」と返事すればよかった。
夢路とみこ