[214]旅のヒント(5)

パリは花の都、光の都、芸術の都と「都並べ」をしたら尽きないぐらいに多様にある。仕事でフランス各地を訪れる機会のある私はいつも、フランスってでっかいな、地方ごとにこれだけ違う、まるで異国の国を旅行しているみたいと思う。しかし、パリについて言うならば異国とまでは言わずともそれぞれのカルティエ(地区)が独特の持ち味があり、パリに20の地方が集結したようにも感じている。パリにいるだけで飽きが来ない、だからパリに魅了される人、症候群になるまでとりつかれる人が出るのも頷ける気がします。
パリでは月曜日を除いて毎日どこかのカルチエでマルシェ(朝市)がたちます。規模は近所の商店街がちょっと大きくなったものから、巨大な青空市場まで。中には映画で見るような北アフリカのカスバやバザールを思わせるようなものもあり。どれ一つとってもすごい、の一言のみ。
最近の私の仕事柄、ほぼ毎朝朝市見学に出かけます。私が知っているだけでも100件以上はあります。パリの現地オプショナルツアーの会社では朝市を観光ツアーに入れたウォーキングツアーもあるくらい。それだけ朝市は絵になる、人を惹きつける魅力に溢れてる。人がわんさか、観光客もわんさか集まるところ、お約束の登場人物はスリ。駅じゃないから市場で「お買い物客の皆様、スリが多発しております。お財布のご確認をお忘れなく」なんて親切な放送は多国語放送どころかフランス語でさえもないから、余計に自覚が必要。
日本は能登半島は輪島の朝市が有名で私も行ったことがあるけれど、あんなものがこのパリでは毎日どこかで開かれているということ。観光客じゃなくたって面白くってついつい写真に収めたくなるのが日本人の心情?
でもこれがちょっとしたマナー違反になっていることに気づいたのはごく最近。マルシェと言えども彼らは場所代を払って営業しているのだから店舗と同じこと。つまり、客でもない人に勝手に店内の写真を撮られるのは営業妨害みたいに思われてることかもしれない。特に私たち観光客は断りもなしにバシバシ撮るから。断ってもやはり客で無い限り嫌がる店もある。
店が嫌がるのは十分に分かるが、買い物客の中にももろに嫌悪感を出す人もいるから辛い。ファインダーの前に立ちはだかる人、撮った瞬間に声を荒げる人とさまざま。やはりマナーとして一言断りを入れ、そこで何か買ってその時にお願いするというのが無難のようです。
夢路とみこ
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