[333]パリの食事処 後編

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ここで映画のワンシーンなら見知らぬ男女が相席になって恋も芽生えるのでしょうが、現実では、ベタベタカップルの隣で食事中は一口食べたらキス、一口食べたらお手てニギニギという事や、口には戸が立てられないオバタリアン二人組み(外国語だったら尚更の騒音)ってのもある。
気分が悪くなって席を立ちたくなるのは悪臭のする人、国に寄っては食文化の違うせいか体臭がものすごい人もいるし、またそれ以外では観光で来ている日本人で外国で日本人に会いたくないという態度が見え見えの人も相席にはなりたくないですね。むしろ現地に住んでいる人と相席になってラッキーと思ってくれる人であればこちらも親切心を持って観光アドバイスをしてあげる気にもなれるんですけど。とにかく私たちは上の階に席を取ることになりました。
巨大ブラッスリーとなるとギャルソンの数も多いけどテーブルの担当もしっかりと決まっているので、自分のテーブルの担当でないと何もしてくれない。メニューも持ってきてくれなければ、注文も取りに来てくれない。またギャルソンがフレンドリー過ぎても困りもの。あちらこちらのテーブルで愛想を振りまいている分、配膳は遅いわ、注文は揃わないわで。
サービス料込みとなっていてもそれが給料にそれ程影響を及ぼさないので彼らにとってはぐうたらしていても、一箇所のテーブルで愛想振りまいていても給料はほぼ一緒。だったら好みの女性客のテーブルでデレーとしたいギャルソンはデレーとしています。ウエイトレスもそう、知り合いが来ると仕事そっちのけでお喋りに花が咲いています。年配のウエイトレスは配膳そっちのけで話し相手をするのも仕事の一部だと本当に思っているからどうしようもない。これもこの国の食文化と言えばそれまでなんですけど。
上の階から下を眺めるとこのブラッスリーの巨大さが実感できます。でも上に席を取る利点はこの「実感」だけでしょうね、たぶん。だからやっぱり下の席の方がいいわ。この店は料理を目当てに来る人はいるのでしょうか。でも、この店の売りは昔ながらの大衆食堂料理とその雰囲気と懐かしのメニューじゃないかな。そして単品のどれもが安く、前菜+メイン+デザートを食べてもシャンゼリゼのお洒落な店のメイン一皿よりも安い事がメリットです。
こちらもご参考にどうぞ
http://blogs.yahoo.co.jp/beaucaillou7/58033659.html

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