[015]デュエット曲

「カラオケ」はその言葉が日本語だと私の同僚は知らない程に近代の仏文化に浸透しとても人気のある余興です。綺麗なお姉さんとデュエットするのがオジサンの楽しみというのは日仏共通のようで。
そのせいでしょうか、ラジオや歌謡番組で聞く曲の中にデュエット曲が多いのは。しかし日本と大きく違うのは仏語と外国語に2ヶ国語歌詞があるという点。日本のようにTOEICスコアが就職に大ききく影響する最近のフランスではデュエット曲も仏英多し。その他の人気外国語はイタリア語らしく仏伊版もよく聞きます。ここまでなら私も仏語学習者として一つ覚えて素敵なあの人と歌ってみようかという気になりますが、英伊版まで来るとお手上げだ!
イタリアの人気歌手、エロス・ラマゾォティはフランスでもヒット曲が多い。私は歌詞が分らなくても彼の歌声に魅了されラジオに向かって絶叫する一人です。その彼が米国歌手のティナ・ターナーやシェールとデュエットしてこちらのヒットチャートに載りラジオでもよくかかります。しかしここまで来ると聞くのが精一杯でそれをマスターして憧れの君と一緒になんて夢のまた夢。


ケベック出身の歌手、ガルーとセリーヌ・ディオンのデュエットも素晴らしい。ガルーはミュージカル「ノートルダム・ド・パリ」の初代カジモド役で人気が出て、セリーヌ・ディオンは「タイタニック 愛のテーマ」で世界中を魅了したから知らない人はいないはず。フランスでリリースされている彼女の曲は仏語が多いようで初めてラジオで彼女の仏語曲を聞いたときはすぐには彼女とは気付きませんでした。
某英語学校のCFで彼女が英語を習い出したのは15歳の頃と聞きましたが、あの完璧で美しい発音に驚かされたものでした。しかしある日TVで彼女のコンサートを見ていたら、曲の合間に入るトークにはもっとびっくり。会場がパリだからもちろん仏語。しかしあまりの強いケベック訛りに私は仰天。仏語にまだ慣れていない私にとって地方訛りはまだまだ理解し難いものです。
歌うときの彼女の仏語発音はほとんど訛りがなく、歌詞も良く聞き取れます。しかしトークの時の訛りには唖然、同一人物かと疑ってしまいました。英語だってあんなに綺麗な発音でこなす彼女が母国語である仏語に訛りがあるとは。しかし、彼女とデュエットしているガルーの方は私でも良く理解出来ます。
私もミュージカル風に音楽で会話したら外国人訛りが隠せるかもしれない。
夢路とみこ