リステルの同じ敷地内から塩ツアーが出発します。ツアーはダブルデッカーのバスとプチトランの2種。それぞれ90分のツアーで6.80ユーロ。私は童心に戻ってプチトランにてこれに参加。砂の葡萄畑を抜けて塩田が広がる地中海へ。塩が天然製造される工程で水が赤くなる、ルビーレッドの海になる。途中の絶景ポイント2ヶ所ではもちろん止まってくれる。
絶景ポイントの一つ目は、エイグ・モルトの城壁が真向かいに見えるところ。赤い海にぽっかりと浮かぶ城壁がとても哀愁を帯びています。何で日本のガイドブックはこの美しさを伝えてはくれないのだろう。とエイグ・モルトの住民でない私でさえもそう言いたくなる。
二つ目は塩の山の側にて。ツアーを企画している製塩会社、バレンヌ(くじら)社のお土産売り場の側でもありますが、まずここで降りて塩の製造工程の簡単なビデオを見ます。それから外へ出て塩の山を見ます。遠くから見ると雪山のようにも見える塩の結晶のつぶの集まりは、これだけでエコロジー感たっぷりです。
タラソセラピーによく塩が使われますが、ニースやモナコのコートダジュールのタラソで使われるのは地中海の塩。私もこれを使って顔や体を洗えば何とかなるかな、と何をどうしたいのかも分らず紙パック入りの塩、それも高級品と言われるFleur du Sel塩の花を買いました。知り合いの日本人シェフの話しによれば塩は岩塩も良いけど塩の花が最高なんですって。
私達の国、東洋では絹やスパイスを巡ってシルクロードありのスパイスロードありですが、こちら西洋でも塩税があったりして人々の生活には重要なものだったらしい。
エイグ・モルトの城壁の中には幾つかの塔がありますがそのうちのひとつ、塩の塔にはこんな悲惨な話しがあります。第2次世界大戦中、ドイツ占領下にあったこのエイグ・モルトでは戦争による死者が多くこの塔に投げ込まれたとの事。火葬するにも人数が多過ぎて順番が中々回らず、遺体だから腐る、悪臭がする、だからこの地の産物である塩を振り掛け死体の塩付けにしていたとか。とても悲しい話です。
エイグ・モルトでカーブ見学したり塩ツアーに行こうと思うならやはり1泊はして体力と気力をやしなってからレンタルサイクルでカマルグ大湿地帯を謳歌しながら行って下さい。体力と気力にプラス知識も付けたいのならベッド&ブレックファーストのシャンブル・ドットに泊まる手も。次回はお勧めのB&Bをご紹介します。
塩ツアーの情報サイト: http://www.labaleine.com
夢路とみこ