[157]「元気」の泉を求めて

半年前から一人でSOHOしているせいか、ボスとは時差も対日ビジネスに対する温度差もあるせいか、最近の私は仕事に行き詰まりを感じ出している。どんな場所に住んでも、どんな仕事環境に置かれても、めげない、負けない、諦めないが私の信条だった。昔ならトイレが泣き場、マーボロ赤2箱が慰め、クビ覚悟の直談判で乗り切った。しかし今では私の悲痛な叫び「あんた達、やる気あんの?」は大西洋を超えない。このままでは私は爆発するかもしれない。
そんな事もあり、最近はディジョンJCIのオブザーバーとして「観光促進委員会」に入会した。これがとても刺激になる。私の下手な仏語で発言するのは奥がましいが、観光ならこっちがプロだ!ここで会う人たちはエネルギッシュ。この国にこんな人種がいたのか?と思う位に向上心旺盛。閉鎖的なこの国の企業形態がEUの流れもあり崩れつつある。この時を待ちに待ったかのごとく若手が竹の子のように産業界に伸びてくる。もう、「出るは釘打たれる」なんて風潮は古臭いとでも言いたげに。

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[155]浪花ブルゴーニュ

その昔、パリが大嫌いだった。仏語が喋れても下手だとしかめっ面するし、人が冷たかった。スノッブなイメージもあったし、陰険だとさえも思った。でもフランスでもバブル崩壊の期や9.11の事もあってパリから観光客が減りカフェやホテルが慌て出した。そのせいでしょうか、最近のパリは温かい。英語で道を聞いてもきちんと返してくれる。人が親切になって来た。そして今の私はパリに夢中。ブルゴーニュの田舎暮らしに疲れたときはふらりとパリに出かけ刺激を得る。副都心のデファンス地区から戻ったらバリバリよぉ!
嫌いだと思った町に夢中になる、私が大人になったのか、町が成熟してくれたのか。この現象は大阪にも言える。私を大阪に惹きつけた最大の理由は、「料理」、つまりここは食事がとっても美味しいと言うこと。私は大阪と東京の「料理」にディジョンとリヨンの関係を見た。ディジョンの美食が庶民的なものに対し、リヨンのそれは精巧な技術を施した皿の上の芸術であるように、大阪ごはんはありきたりな料理がずしんと胃袋に訴えてくれる、そして東京ごはんは、皿の上のステンドグラス、つまりちょこちょこと彩りよく並びそれが完全な調和を描いてる。

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