[326]カルチャースクール

パリ在住の日本人コミュニティーには沢山のフリーペーパーのような情報サイトがあります。私が持っている個人ブログをも含めるとかなりの情報収集になります。
よく、日本にいる方々からのメールで「これからパリに行くのですが、色々教えてください」と来るのですが、会った事もない人に「色々って」何を教えたら良いんでしょう。返事に困ってしまいます。だからその「色々教えてください」に対してこちらをご参考にしてみては、と紹介している情報サイトが幾つかあって、これは比較的に内容が充実している面白いなと思うのがこれ、フレンチコード
http://www.french-code.com/index.html
このサイトで見つけたカルチャースクールに私は最近通いだしています
http://www.french-code.com/keiko08.html
このスクールは高校を卒業してバカロレアを終えた人や大学を卒業して修士号コースを学ぶ人たちが通う美術ややメディア、芸術関係の経営学を教える、ビジネススクールみたいな学校、ISEAという学校です。この学校は毎週月曜日の夜7時から9時まで社会人を対象とした食文化、それも嗜好品であるコーヒー、お茶、チョコレートについての講習会を開いています。
それを知ったのは上記のサイトで、でも、どうやってこんな場所と情報を探して来たんだろうと思うくらいに目立たない場所にあります。オペラ座通りだから一回行けばすぐ分かる場所なのですが、こんなところに、こんなものが、という驚きです。あまり目立たない場所にあるこの学校を探し出したこのサイトにリサーチャーの方々、本当に頭が下がります。やはりプロの編集者、ジャーナリストには敵いません。
で、ここのチョコレートの講座を受講してみたのですが。受講者定員は30名らしく参加していたのは専らアフター5の若い会社員や中高年の趣味の世界の人、この職業についているらしき人たち。全くの好奇心丸出しの人は私くらいだったのでは?この日の講師は大手カカオ豆輸入業者の女性社長でした。
カカオ豆の輸入ルートの説明からチョコレートになるまでの流れをスクリーンと黒板で説明するとはまるで大学の講義を思い出しました。またカカオ豆の商品市場での投機やサヤ取りなどのビジネス的な面も講義にはありました。他の講座も受講していますがどれも趣味の範囲を超えた理論的で学術的なところもこの講座の良さです。
夢路とみこ

[314]リヨン観光(2)トラブール

サンジャン教会のある一角は旧市街でここは世界遺産指定地区なのですが、ここが指定された対象が「トラブール」と呼ばれる抜け道があるからです。
この抜け道の由来はいろいろあるようで、最近知った説はシルク職人が織物を運ぶのに雨避けの為にこのトラブールを使って運んだらしい。しかし、たしか機織職人が多くアトリエを持っているのはリヨンでもここから反対の地区で丘高いクロワルスなんですがこの説によるともしかしてあんなに遠くからこの抜け道はつながっているのか。だとしたら、太陽王ルイ14世のお抱え建築家で戦略家のヴォーヴァンも真っ青になりそうなすごい抜け道なんですけど。
私が知っている説は、その昔、リヨンが絹貿易で繁栄していた時代、リヨンには古今東西の与太者が集まったとか。その与太者はこのリヨンでも犯罪を犯し追ってから逃げるのにこのトラブールを抜け道にしたとか。
その他には、商業の街リヨンは、その裕福振りを「窓ガラス」で表したという話があります。その昔フランスの各地では色々な税があり「塩税」はよく知られますが「窓税」というのも合ったようで、この「窓税」というのは窓枠の数で税徴収の金額が決まったとか。だからフランスの各地に行くと外側には窓がなく、中庭に面して窓がたくさんある昔の建築物があるのはそのためだと聞いたことがあります。
つまり、税徴収者は外側からしか窓が数えられないので、「せこい」ブルジョワは窓を中庭に向けて作ったようです。それは税徴収者の目くらましというだけではなく、泥棒避けでもあったようですが。当時のガラスは昔の長崎と一緒でビードロか、ベネチアングラス、かなり高価なものだったので、それがあること自体がブルジョワで有ることを示し、泥棒の格好の標的になったのでしょう。
でもそれは中世の時代の話で、一番近いところの利用者は「レジスタンス」の人たちリヨンはパリに次いでナチに対抗した「レジスタンス」活動が盛んだった場所です。これについては、以前、105号にでも紹介しましたが。ナチの追っ手を逃れたユダヤ人や活動家がここを抜けて永世中立国スイスに逃亡した話は何度も聞いています。
様々な時代の抜け道となって来たトラブール、リヨンならではのものです、是非見て下さい。
こちらもご参考にどうぞ。
http://blogs.yahoo.co.jp/beaucaillou7/51335408.html
夢路とみこ