バジェット旅行中だとどうしてもカフェやビストロに行くのも躊躇いサンドイッチ屋で食事を済ますことが多くなる、それは学生の頃も社会人となってもあまり変らない。でもそれが続くと、ちょっと気分的には惨め、胃袋的には温製のものが入らないから負担になる。コーヒーや紅茶で一時の保温とごまかしても身体全体の保温の継続にはならない。やっぱりカロリーを燃焼し身体を温める温かい食事がないと体力も衰え、ひいては精神的にも惨めから不安定な状態に落ち込む事になります。こんな時に「保温のためよ」とワインをがぶ飲みすると急性アル中になりやすく危険です。そこで私は中華レストランへ入る事を処方箋にした。
中華の良い所は、もちろん食材や調理法が私たちの普段の和食に近いというだけでなく、一人でも入りやすい雰囲気があることかしら。そして速くて安くて上手い。中華料理はだいたい皆で小皿に取り分けてワイワイやるものですが、一人や二人で食事に来ても違和感を感じさせない、気後れを感じさせない配膳をしてくれるから助かる。そして中華ならまた中華料理の店はほぼ間違いなくスープがある。これは安くてボリュームがあって、元気モリモリにしてくれるからバジェット旅行者の強い見方。具沢山の中華のスープはサンドイッチよりもずっと腹ごしらえになるし、体温上昇と維持に貢献してくれます。安上がりで主菜になりうる前菜。
ノートルダムが目の前に広がる絶好の場所にある、この中華惣菜店Traiteur Shanghaiのスープはすごい。自家製スープは3ユーロ程度で心底温まる物を出してくれる。ふっくらとした水餃子は手作り感ばっちり。昔住んでいた香港(上海ではないけど)の味を思い出す。パリリヨン駅付近にあるマンダランというレストランは普通の中華らしくないけど、あまり辛くないマーボー豆腐がワインによく合う。メニューは仏、英、日とさりげなく書かれているのも、お店の上質のサービスも疲れた一人旅には応えた、ちょっとホームシックかな。
Traiteur Shanghai
19 quai de Montebello 750005 Paris
01 40 51 03 84 M゜Saint Michel
Restaurant Chinois
Mandarin Diderot
26 bis Bd. Diderot 75012
01 43 43 97 50 M゜Gare de Lyon
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夢路とみこ
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パリは生活費が高いと聞いていたが、東京並みの家賃を除けばそうでもない気がする。むしろ家賃や物価は安いけど買い物の選択の幅が狭いディジョンの方が結局高くついていたのではないかと今更ながらに思う。安い家賃で居候させてもらっているから、掃除と食事の仕度は積極的にやらせてもらっている。船に添乗の時は朝のお粥作り、部屋の掃除、通訳、翻訳と全てしなければならないので、別に苦にはならない。
私の住むアレジアという地区は、家事担当の私にとって東京並みの便利さに嬉し泣きが止まらない。まず、駅の付近には午後22時頃まで営業しているスーパーが数件ある。日曜日だって午前中なら商店街も営業中。パリはノルマンディーにも近いから魚屋さんが多く、またとても新鮮。ちょっと高いのが気になるけれども、でもお刺身もどきの料理を久々に作る楽しみが出来た。またここは、「パリ荻窪」とでも呼びたいモンパルナスまで徒歩で20分程度だから、ちょっとしたお洒落な買い物にも難なく出来る。
こちらのスーパーに入って何度か軽い、嬉しい衝撃を味わった。一般的なスーパーに「生しいたけ」や「もやし」が普通に野菜売り場に、量り売りで、当たり前のごとく並んでいるではないか。ディジョンなら中華食材の店にちょっと高い袋入りもやしがあるのみ。さすが都会だな、アジア人がもちろん多く住んでいるだけでなく、その食材もこちらの生活に融合している事を確認。ちょっと迷惑な話だと思ったのは「渋柿」が売っている事。日本なら「渋柿」は干し柿となって美味しく食べれるのに、こちらでは「生」。フランスなら「渋味」でも美味しいのかなと思い試しに1個買ってみた。食べたその瞬間は「ちょっと口元に渋みが残る」と感じたけどその程度だろうと思い外出。散歩の途中で急に身体に変化が。映画館に入り映画を見ていたら体が熱くなり脂汗に催す吐き気。トイレでしばらく休憩。憔悴し切った身体を引きずるようにして帰宅、一晩熱にうなされて翌日には体力が回復。いやーこの渋柿を食べる仏人の度胸と体力にあっぱれ!
スーパー「ED」は食品中心のディスカウントストア。豊富な品揃えではないけれどでも安い。オリジナルブランドが中心で高品質とは言えないけれど日常の食生活を支えるには十分。グルメで食いしん坊の私は、パリの高級食材店とディスカウント店の2間ををやじろうべいの如く往来しながら都会での食生活を満喫中。
夢路とみこ