うちの船旅、6泊7日の間、3食も出すのだからいかに飽きさせずフランス料理とその文化を楽しんでもらうように工夫するかはシェフの仕事。通常のレストランのように注文に応じて作るだけでなく、経営者のように予算、カロリーそしてバラエティーの計算もする。そして彼らの腕が私の営業活動の仕事に大きく影響する。
私には料理の三銃士がいます。お客様から頂いた鰹節や漬物で即席フレンチを作るブーちゃんことブノワ、弱冠23才で10年近くのキャリアを持つバンちゃんことシルヴァン、そしてその鋭い感性と冷静な洞察力が料理のみならずホテルバージ運営にまで注意を払うジェーシーことジャン・クリストフ。私は縁があってジェーシーと仕事をする事が多く彼から学ぶことは未曾有。
職人は技術には長けているけれど管理運営となるとさっぱりという人が多い中、ジェーシーの気質に職人と管理職の双方を感じる。確かに料理については拘りもあるようだが、顧客のニーズに合わせるという営業面も忘れてはいない。自分の味を押し付けるのではなく自分の味を様々な嗜好の人に合わせる事で進化させようとする研究熱心さがある、チャレンジ精神旺盛の人だ。
[120]カンペール発日帰りの旅
ブルターニュ旅行の起点の一つにカンペールを選ぶのは賢い選択と思う。秘境、ケルト文化宝庫なのはブレストを起点に海岸沿へ。でも、可愛い田舎町を訪れたいのならやっぱりカンペールの方がよかんぺーるでしょう。
まずカンペール駅前から出発する郊外行きバスは豊富。ゴーギャンを始めとするポンタ・ヴァン派と呼ばれる芸術運動の舞台、ポンタ・ヴァンへのバスは Concarneauコンカルノーという港町で乗り換えして行きますが、この港町が素敵。バスから降りたら早速潮の香りと漁船が目の前に広がり、気分は演歌。南仏エイグ・モルトよりも小規模な城壁に囲まれた観光地です。月から土曜までなら駅発8時30分のバスに乗ると9時に到着、(日、祭日は別時間)ここから乗り次のポンタ・ヴェン行きは12時30分だからゆっくりと城壁内のお土産店を見たり、城壁を登れば港が一望出来てこれまた素晴らしい。ここには MOFのチョコレート職人の店があったり、カンペール焼きも充実。魚釣りが好きな人のためにはMusee de Pecher、漁師博物館もあります。