この地方の郷土料理と言えばワインソースやワイン煮込み、その代表的なものがBoeuf Bourguignon(牛肉の赤ワイン煮)やCoq au Vin(雄鶏の赤ワイン煮)。白ワインソースの魚料理ならPouchoseがあります。これらはメインで、オードブルならやはりまずはエスカルゴ。これがこの地の名産の理由、カタツムリは葡萄の葉を餌にしているからです。同じ理由で蛙もブルゴーニュ郷土料理です。その昔は葡萄畑にエスカルゴや蛙がいてそれを取って料理していたようですが、都市化と化学肥料でそれらは減少またはサイズが小さくなり現在では東欧やギリシアからの輸入物にたよっているのが事実のようです。
ミッシュラン星付きや高級レストランであればブルゴーニュで飼育しているものが頂けるようですが、ビストロや一般家庭の食卓に昇るのはやはり輸入物。スーパーに売っているエスカルゴは殻に入っていてソースも埋め込んであります。ソースはハーブバターが通常なのですが、カシス産地のニュイサンジョルジュが近いこのディジョンではカシスバターのソースが埋っているものも売っています。味も形もサザエに似ているので醤油バターのソースを埋めこんだら和風になるかも。
[006]マスタード博物館-ディジョン名物と言えばマスタード
ディジョンの名物と言えばすぐ浮かぶのがマスタード。これは日本人にとってのお醤油と同じで食卓には欠かせない調味料の一つ。彼のブルゴーニュ大公はこれが大変お気に入りで大宴会には必ず使っていた様ですが、各地か来たお客様へのお土産に一樽のマスタードを贈ったという逸話もある位です。
マスタードはディジョンの名物だからMOUTARDE DE DIJONとラベルに書けるものはディジョンとその近郊で製造された物のみ。でも、ディジョン市内にはもうマスタード工場はなく、その殆どが近郊の町です。最も有名で日本進出も果たしているのがAMORA-MAILLE。ギャルリーラファエットの側にあるこの店の本店はウィンドーを覗くだけでも楽しい。スペインのマジョルカ島で焼かれ手書きのイラストが美しい壷は高いけど恰好のお土産品。昔はマスタード行商人がいて人々はマイポットで買いに来ていたそう。