[008]郷土料理・かえる編

この地方の郷土料理と言えばワインソースやワイン煮込み、その代表的なものがBoeuf Bourguignon(牛肉の赤ワイン煮)やCoq au Vin(雄鶏の赤ワイン煮)。白ワインソースの魚料理ならPouchoseがあります。これらはメインで、オードブルならやはりまずはエスカルゴ。これがこの地の名産の理由、カタツムリは葡萄の葉を餌にしているからです。同じ理由で蛙もブルゴーニュ郷土料理です。その昔は葡萄畑にエスカルゴや蛙がいてそれを取って料理していたようですが、都市化と化学肥料でそれらは減少またはサイズが小さくなり現在では東欧やギリシアからの輸入物にたよっているのが事実のようです。
ミッシュラン星付きや高級レストランであればブルゴーニュで飼育しているものが頂けるようですが、ビストロや一般家庭の食卓に昇るのはやはり輸入物。スーパーに売っているエスカルゴは殻に入っていてソースも埋め込んであります。ソースはハーブバターが通常なのですが、カシス産地のニュイサンジョルジュが近いこのディジョンではカシスバターのソースが埋っているものも売っています。味も形もサザエに似ているので醤油バターのソースを埋めこんだら和風になるかも。

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[007]ジュラのワイン祭り-黄色いワインLA PERCEE DU VIN JAUNE

毎年2月第1週末は黄色いワインで知られるジュラのLA PERCEE DU VIN JAUNE祭りがあります。ジュラワインは他の地方ワインと違いとてもクセのあるワインです。その代表的なものがシャトーシャロンと言われるワインです。出荷までに6年3ヶ月以上も熟成させる事やサヴァニヤン種の持つ香りや味わいが独特なワインを作ります。
私個人の印象ではウィスキーのような香りがあると思っています。とても男性的なワインです。シャトーシャロンは高級過ぎてあまり飲んだ事がありませんが、一般的なレベルの黄色いワイン、VIN JAUNEは時々飲みます。
このお祭りはジュラ県の中で毎年開催地が変わります。会場は葡萄畑を見渡せる生産者の村、今年は65件が参加。ワインのほかには地元の絵描きや木工作家の展示即売会があります。村のフォークダンスを見たり民謡を聞いたりと2月でも熱気に溢れています。ジュラのワイン生産者の村景色はブルゴーニュとちょっと違いそれも一つの楽しみです。
このお祭りで味わえるワインは、黄色いワインの他、藁のワインVIN DE PAILLE、藁の中で発酵させてから醸造するというこの地方独特の生産法のものやクレマン(スーパークリング)を味わえます。もちろん赤ワインもあります。ロゼはプサール種で作っています。
酒豪で特にワイン好きの私ですがここに来るまで黄色いワインなんて全く知らずそれほど日本には馴染みの薄いワインです。また飲み慣れないとその独特さに引いてしまうでしょうが、慣れると止みつきになるという美味しさがあります。会場で出ている屋台も全てがジュラ特産品。おつまみのチーズはコンテやモルビエール、蒸かしたジャガイモとモンベリアール産ソーセージにモンドールやカンクロヨットチーズをつけて食べると黄色いワインの美味しさが炸裂します。また日曜日3時からは郷土料理教室も開催されるので楽しみです。

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