添乗の仕事でシャンゼリゼ辺りを案内することが良くあります。買い物やウィンドーショッピングには快適なシャンゼリゼでも、食事をするとなると探すのが大変。第一に観光客向けの店と相場が決まっているから値段が高い、高いからと言って美味しいということにはならない。また日本人の胃袋に丁度良い量というのも考えなければならない、となると、「あーあ、どうしてシャンゼリゼでご飯なのよ」と泣きたくなることもある。それでもシャンゼリゼは特別な場所なのですよ。
シャンゼリゼに幾つかある素敵なブラッスリーのひとつ、「フーケッツ」は外からみても私が住むアレジアのブラッスリーとは格が数段違うからどうも入りにくいと思ってました。しかし、ある日、迷った末にここへ入ってみました。案内したのはアメリカからの観光客。一般的に味オンチに言われるアメリカ人ですが、この方は職業柄世界中を飛び回っていて世界のグルメを知っているから妥協は許せない、でも、私が迷ったから半分妥協を許してもらいこの店に入った。メニューを見たら、普通のブラッスリーよりも品数が少ない。「えーこんな高級ブラッスリーなのに、これだけ?」と思いながらも、ローストチキンを注文、付け合せはフライドポテト。
食べながら二人して、「妥協ってのはひどすぎたよね、この店、いけるじゃん」と。ローストチキンとフライドポテト、いかにも簡単そうな料理だけれども、素材が違う。ローストするとぱさぱさし易いチキンだけど、ここのこれはしっとりしていて、上質なチキンを使っていることが伺われる。肉汁にも甘味さえも感じられ、脂っこさがあまりない。一緒に注文したシャルドネに合わせたら、口の中でハミングが聞こえそうな相性のよさ。フライドポテトにしてみても、私はポテトはマックが世界一美味しいと思っている。学生時代からキッチンでバイトしていたから、簡単な料理にはちとうるさい。シンプルな料理だからこそ腕の良し悪しが出るんだと思う。マック以外のポテトは「さようなら」のはずの私でもこの店のポテトは「高級マックだ」と思う。品数は少ないけれど、その分、一つ一つの料理、簡単な料理にも手抜きをしない、それが100年も経営しているこの店のすごいところなんでしょう。
パリ観光局のサイト
http://jp.parisinfo.com/partners3.html
この中にフーケッツ・バリエールでこのお店紹介されています
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夢路とみこ
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らしい、だからサッカーのロナウド選手もアラファト議長もアメリカを選ばすフランスに治療に来たと同居人は豪語する。でも、それなら私の背中の痛みなんてチョチョイのチョイ、チチンプイプイでしょうが、と文句たらたら。猛暑だし、寝返り打てないし、立ったり座ったりするだけで背中にお灸を据えられたように痛いから悲鳴をあげる。
この国の病院は日本のそれとはすごく違う。まず、内科医が掛かりつけの医者であり、そのクリニックはまるで弁護士事務所。診察台がなければ絶対に医者だと思えない。まずかかりつけの医者に行き診断を受ける。そこで処方箋を書いてもらい専門医へ行く、薬局に行く、レントゲンも同じ。かかりつけの医者に予約を入れる、専門医に予約を入れるととにかく待たされることが多い。どうしても待てないときは救急病院があるようで、そこまで行くと日本でイメージする白い巨塔の世界に入るわけですよ。
事故から4日後にやっとかかりつけの医者に見て貰えた。レントゲンを撮らないと判断出来ないと言うので、レントゲンクリニックに予約の電話を入れる。でも処方箋の文字が仏語のミミズ文字だから読めない、仕方ないのでクリニックまで処方箋を持って行く。予約が取れたけど翌日。痛い思いをしてここまで来てるのに、明日?涙がチョチョ切れる。撮れたレントゲンを見て先生は「肺に水が入ってるね、もう一度この部分大きく撮って貰ってきて」とまた処方箋。それ持ってまたレントゲンの予約を取りに行くけどまた翌日。
かかりつけの医者が処方した痛み止めは痛みが止まらない上に副作用で胃が痛くなる。同居人がくれた痛み止めは痛みは止まるが眠くなって日常生活が出来ない。呼吸もしにくい。ひっくり返ったゴキブリ状態が続くのを哀れに思った同居人は接骨院を予約してくれた。今度はそちらにレントゲンを持って出かけると「これね、患部の写真じゃないよ。患部は下だよ、もう一度撮ってもらって」というものの接骨院では処方箋が出せない、再びまたかかりつけの医者に出向き処方箋を貰う。猛暑の中、この移動は地獄。
とにかく痛いので、何か気休めにでも薬を飲んでいないと暑さと痛さで発狂寸前でした。手持ちの痛み止め全部飲んでたら、痛みは止まりだしたものの、今度は極度の痒みが。かかりつけの医者曰く、薬のカクテルで変な副作用になっていると。薬を止めたらやっと回復してきた。この国の医療技術世界一って本当かな。
夢路とみこ