[164]銘醸街道カーブ巡り(3)

シャロン・シュル・ソーヌからマコン方面に抜けて行く街道はコート・シャロネーズ地区と呼ばれる丘陵地帯に広がるワイン産地です。無農薬ワインへの取り組みやワインと観光産業を融合させた企画などでは定評あり。この地区内の村、ジヴリーで試飲会があったので出かけてみました。シャロンからは10キロなのでタクシーなら10分位(片道18ユーロ)、バスでも約20分程度(95セント)。
村はとても小さく一回りしても多分1,2時間もあったら十分でしょう。しかしこの村の魅力は村の入り口にある門やシャチホコもどきの噴水を始めとして古い建築物が現代生活にマッチしていること。試飲会と言ってもボーヌご近所の造り手が集まって「オラのワイン飲んで見てくれや!」みたいな和気藹々の、まるで井戸端会議の延長のような気さくさ、私も4ユーロの記念グラスを買ってあっちふらふら、こっちふらふら。
ジヴリー村は毎年6月下旬から7月上旬にミュージ・カーブ(蔵コン)の開催で有名。ワインを飲みながらクラシックやフラメンコ、ジプシー音楽コンサートを始め、醸造専門家の話を聞きながらぶらぶら歩きやブレス鶏の試食会などなど。

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[163]フランスの光と影

「隣の芝生は青い」とは良く言ったもんだ!と毎日暮らしながらそう思います。不完全燃焼なのは、客観的に自分を凝視出来ないことにあるのを分からずに虹の向こうばかり見てきたから。虹の向こうの憧れは、厳しい現実となり襲い掛かってくる。青かったはずの芝生は踏み込んだら同じ色だった。
日本へ帰る度にフランスファンに会う。フランスが大好きだと言う。フランスに住みたいと言う。フランスで働きたいとも。私もフランスファン、フランスが大好き、フランスに住んで働いている。でもここは海の向こうにいる人たちにブラウン管や誌面を通しただけでは伝えきれない物語がたくさんある。のんびりとした美しい田園風景の裏には都会の混沌とした情景があり、ワインで鼻を赤く染めた人の良いおじさんの笑顔と同じ土地に外国人を蔑視する人も暮らす。

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