[144]浦島花子を回避せよ!

テキサスでの留学を終え日本へ帰国したばかりの頃、友人宅で歌謡番組を観ていたときに掻いた赤恥。留学中は周囲に日本人がいなかったことや日本語に触れる時間がなかったから、日本を出た18歳から帰国した23歳の間は日本の情報がすっぽり抜けていた。画面に元気一杯のロックバンドが出た。「へー横浜銀蝿ってまだ頑張ってるんだ!」と発した私の一言に周囲が一斉に沈黙。そして数秒後に割れんばかりの大爆笑。「横浜銀蝿だって、懐かしいー」と黄色い声。何が起きたのかさっぱり分からない私は目を白黒させるばかり。出演していたのは当時人気急上昇のジャニーズ系バンド「オトコグミ」というバンド、5年の空白がある私がそれに気づくはずがない。この赤恥をきっかけに海外で生活する際には日本の情報収集を怠らないことを鉄則にした。情報の範囲も仕事に関係ある政治経済はもとより芸能ニュースやゴシップは欠かせない。

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[143]ヌーボー三昧

今年も到来この解禁日。最近は80年代ほどの騒ぎでないと聞くけれど私にとってこの祭りは日本の元旦、米国の感謝祭と同様。ヌーボーはワインじゃないと馬鹿にする人もいる中、旬の物を頂く楽しみは感性を磨いてくれはず。
ヌーボーの日、友人と二人映画「アメリ」もどきの地元臭ぷんぷんのブラッスリーへ向かう。ヌーボーを飲むにはおあつらえの場所。ここはやっぱりジモティに囲まれがやがや飲むべし。私達は本日の一品とチーズを注文。値段は3.10ユーロなのにポワッス、ヴェルジェイ村の灰のチーズ、カマンベール、ロックフォールと4種類もあり、食べるのに最適な解け具合で出て来た。ブラッスリー程度でこんなサービスは中々ない。笑顔にプラスしたお店の人達の暖かさが良く伝わる。去年は猛暑で収穫量が少なく、今年は冷夏で葡萄の出来が悪いからとヌーボーには有難くない悪評がついてしまったが、でも今年もヌーボーはお目見えして、お祭り騒ぎ。寒くて湿気の多い灰色の空しかないこの時期に心弾ませてくれるヌーボー、悪態をついちゃいけないわ。

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