秋から来年の春にかけて船のシーズンが終わると私の仕事も少しは余裕が出てきて週末も自分の為の時間が出来ます。冬の楽しみはワイン祭り、友人達とテーブルを囲んでワインを思う存分楽しむこと。この時とばかり張り切ってワインの買出しに出かける。造り手もこの時期は忙しくないから喜んで迎えてくれる。
ディジョンからバスでも行けるFIXIN(フィッサン)村はジュヴレイ・シャンベルタンの手前の村。ここには日曜日でも見学試飲が可能なワイナリーがあり格好の週末カーブ巡りとなります。私の愛用しているワインのミッシュラン本みたいなアシェットのワインガイドにも紹介されているジョリエ・ペール・エ・フィスのカーブは圧巻です。この村のプルミエ・クリュの畑でも、このワイナリーが独占で作っているクロ・ド・ラ・ペリエールは最高と記述されているけど、この記述は嘘でなかった。私はソムリエでないし、ワイン専門家でもないから味については人それぞれの好みもあるだろうからここで薀蓄を言いませんが、わざわざブルゴーニュまでワインを飲みに来たならここへ寄ってよ!と一言言いたい。
[133]バッハからバッカスまで
ジュヴレイ・シャンベルタンで開催されるこの音楽祭「バッハからバッカスまで」は今年で19回目、毎年9月の初旬に行われます。これはジュヴレイ・シャンベルタンを中心に付近のワイナリー村郡、ブロション、クーシェー、シャンボール・ミュジニーなどで一斉にワインの試飲会や音楽祭をします。タイトルにバッハがあるからクラシックのみかと思うと、いやいや、私が行ったのはジャズでした。場所はカーブだから音響効果抜群。アコーディオンでジャズを演奏するなんて何てフレンチなんだと思いきや、いやいやこれが聞かせる。
この音楽祭のプログラムは多様。クラッシックはもちろんのこと、ジャズあり、モンマルトルの酒場シャンソンありと興味はつきません。私のジャズコンサートは残念ながらワインが出ませんでした。シャブリ村から来た演奏者のジャズマン達は「ここでワインを出すとそっちに気が取られて私達の音楽聞いてくれないから出さない」なんてジョークを飛ばしてたけれど、私はジュヴレイ・シャンベルタンを片手に聞きたかった。もちろんワインを飲みながら聞くコンサートもあるし、コンサートの後にワイン専門家による試飲会やワイナリー見学付きもある。だから値段も10ユーロから40ユーロまでと様々。