[143]ヌーボー三昧

今年も到来この解禁日。最近は80年代ほどの騒ぎでないと聞くけれど私にとってこの祭りは日本の元旦、米国の感謝祭と同様。ヌーボーはワインじゃないと馬鹿にする人もいる中、旬の物を頂く楽しみは感性を磨いてくれはず。
ヌーボーの日、友人と二人映画「アメリ」もどきの地元臭ぷんぷんのブラッスリーへ向かう。ヌーボーを飲むにはおあつらえの場所。ここはやっぱりジモティに囲まれがやがや飲むべし。私達は本日の一品とチーズを注文。値段は3.10ユーロなのにポワッス、ヴェルジェイ村の灰のチーズ、カマンベール、ロックフォールと4種類もあり、食べるのに最適な解け具合で出て来た。ブラッスリー程度でこんなサービスは中々ない。笑顔にプラスしたお店の人達の暖かさが良く伝わる。去年は猛暑で収穫量が少なく、今年は冷夏で葡萄の出来が悪いからとヌーボーには有難くない悪評がついてしまったが、でも今年もヌーボーはお目見えして、お祭り騒ぎ。寒くて湿気の多い灰色の空しかないこの時期に心弾ませてくれるヌーボー、悪態をついちゃいけないわ。

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[117]レンヌの見処、味処

ブルターニュは秘境らしい、でもそれは多分、大西洋に面したフィニステールの方を意味するのでしょう。そんなことも知らず「秘境、秘境」と日本の屋久島みたいなものを頭に描いてレンヌに来たからちょっとがっくり。到着したのはディジョンよりもはるか都会でメトロと市内バスが網羅する学園都市がそこに。ここは観光で来るよりも留学などの長期滞在の方が合っている気がした。長く住めば住むほどその良さがにじみ出るような味わいのある町のような気がした。
市内にレンヌ大学がありキャンパスが2つ、日本からの留学生も多いと聞く。1967年レンヌと仙台市が姉妹都市提携しているというのが理由なのかもね。キャンパスの近くに2週間から滞在可の家具付アパートがあるのもさすが学園都市らしい。また市内にはレンタル自転車があって短期の語学留学でも快適なジモティ暮らしが出来そう。
町中には運河が流れ船もちらほらと係留していています。フランスはガリア時代にローマ軍が物資運輸のために運河の基礎を作りそこから都市が繁栄したと聞いていますが、現代にも残るそれを見るたびにこの国の偉大な歴史を感じます。
観光スポット代表のタボール庭園はバラ園が有名らしいけどバラの開花の季節以外はただの広い庭。今の季節はチューリップが綺麗でした。横浜で毎年開催されるチューリップ祭りの方が種類いっぱいあるかな、とも思いきや。でも散歩には格好の庭園ですし、昼寝にはもってこいでした。

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