その昔フランシュ・コンテ地方はこのブルゴーニュ地方、つまりブルゴーニュ大公領土のひとつだったそうな。ブルゴーニュ家最後の公女、マリーが時の神聖ローマ帝国皇帝マクシミリアンと結婚してこの領地もドイツになったけど、ブルゴーニュ家が廃れてルイ14世に乗っ取られた時にフランシュ・コンテも同時にルイちゃんのものになってしまったとな。マキシくんの時はフランシュ(自由領土)だったのにきかん坊のルイになったらぎゅうぎゅうと締められた。中央集権の君だから全て範疇に治めたし。
当時の首都ドールの市民はルイの勢力に楯突いた。フランス人お得意のストライキ。怒り狂ったルイは暴動鎮圧あとには見せしめのために首都をドールからブザンソンへ遷都。お抱えの建築家ヴォーバンに巨大な忍者屋敷みたいな要塞を山の上に建てさせた。さすが太陽王ルイ14世だけあって皆が見上げるような所にとてつもないものを建てた物よ。ブルドーザーやクレーン車のない時代にあっぱれだわ。彼の要塞はフランス各地にあるけれどいずれにせよ、その自由で画期的な発想がすごい。彼のような人が今日いたら大手企業にひっぱりだこか、市場を独占するような大企業家になっていたかも。
[076]スト天国、スト地獄
南仏、夏の風物詩であるアヴィニヨン演劇祭もまたマルセイユやエクス・アン・プロヴァンスの音楽祭とともに中止になってストに突入したとニュースで聞いた。アヴィニヨンは仕事で行く機会も多いし、演劇際の賑わいが好きなのでとても残念。以前ある人からこの町には船の劇場があると教えてもらった。うちの会社は船のホテル、近からずとも遠からず同業者的な近親感を持った。うちの船はその船の劇場のすぐ近くに停泊することがあり時々前を散歩がてらに通った事も。ちょっとアングラな雰囲気が妖艶なのですが、パリでストリップを観たあの勢いでいつか行こう。やはり演劇祭のときに行こう。
フランス人はよくストをする。女の子を引っ掛ける位に頻繁に、そして簡単に。この人たちにとってストのない生活は愛のない生活のように無味乾燥なのかも。いやいやその頻度には呆れるというよりも感心してしまう。君たちいつ仕事すんの?って感じ。ストをしてもそれ程国の機能に影響を及ぼさないところに大国フランスを見る。聞いたところによればトラック野郎のストは地続きの欧州交通網の機能を完全にストップさせるために国境をトラックが横並びにしてとうせんぼするらしい。いわゆる封じ込め、国家軟禁?私が勘弁してよ!と思ったのはごみ回収車のスト、それも真夏。回収に来てくれないから路上のごみの山からは悪臭がするにねずみもご登場。ペスト再来かと怖かった。