[076]スト天国、スト地獄

南仏、夏の風物詩であるアヴィニヨン演劇祭もまたマルセイユやエクス・アン・プロヴァンスの音楽祭とともに中止になってストに突入したとニュースで聞いた。アヴィニヨンは仕事で行く機会も多いし、演劇際の賑わいが好きなのでとても残念。以前ある人からこの町には船の劇場があると教えてもらった。うちの会社は船のホテル、近からずとも遠からず同業者的な近親感を持った。うちの船はその船の劇場のすぐ近くに停泊することがあり時々前を散歩がてらに通った事も。ちょっとアングラな雰囲気が妖艶なのですが、パリでストリップを観たあの勢いでいつか行こう。やはり演劇祭のときに行こう。
フランス人はよくストをする。女の子を引っ掛ける位に頻繁に、そして簡単に。この人たちにとってストのない生活は愛のない生活のように無味乾燥なのかも。いやいやその頻度には呆れるというよりも感心してしまう。君たちいつ仕事すんの?って感じ。ストをしてもそれ程国の機能に影響を及ぼさないところに大国フランスを見る。聞いたところによればトラック野郎のストは地続きの欧州交通網の機能を完全にストップさせるために国境をトラックが横並びにしてとうせんぼするらしい。いわゆる封じ込め、国家軟禁?私が勘弁してよ!と思ったのはごみ回収車のスト、それも真夏。回収に来てくれないから路上のごみの山からは悪臭がするにねずみもご登場。ペスト再来かと怖かった。


つい先日までうちの社内でホットな話題だったのが教員のスト。同僚の中には今年お子さんがバカロレア(大学入学資格試験)の人や、数週間の企業研修に来ているそれを控えた現役高校生もいたので。教員ストでそれが中止になったらどうしよう、みんなで集団浪人?と心配。でもさすがにバカロレアまではストにならず皆無事に受験、合格となりお祝い。ホッと胸をなでおろしたすぐその後にはストに反対する人たちのストなるものが奮起した。ストで私も迷惑被るからその気持ちはよく分かるけどストに反対するスト、これは何じゃらほいという感じ。
スト続きで観光業には大きな痛手となる。アヴィニヨンなんて今回の中止で10億単位のユーロ損害らしい。でもさすがに7月14日の革命記念日のパレードだけは中止されなかった。ストはなかった。夏祭りが多く中止されるなかやはりこれだけはフランスの威厳をかけても守ったのでしょう。ヴィーヴ・ラ・フランス(フランス万歳!)
夢路とみこ