その昔、パリが大嫌いだった。仏語が喋れても下手だとしかめっ面するし、人が冷たかった。スノッブなイメージもあったし、陰険だとさえも思った。でもフランスでもバブル崩壊の期や9.11の事もあってパリから観光客が減りカフェやホテルが慌て出した。そのせいでしょうか、最近のパリは温かい。英語で道を聞いてもきちんと返してくれる。人が親切になって来た。そして今の私はパリに夢中。ブルゴーニュの田舎暮らしに疲れたときはふらりとパリに出かけ刺激を得る。副都心のデファンス地区から戻ったらバリバリよぉ!
嫌いだと思った町に夢中になる、私が大人になったのか、町が成熟してくれたのか。この現象は大阪にも言える。私を大阪に惹きつけた最大の理由は、「料理」、つまりここは食事がとっても美味しいと言うこと。私は大阪と東京の「料理」にディジョンとリヨンの関係を見た。ディジョンの美食が庶民的なものに対し、リヨンのそれは精巧な技術を施した皿の上の芸術であるように、大阪ごはんはありきたりな料理がずしんと胃袋に訴えてくれる、そして東京ごはんは、皿の上のステンドグラス、つまりちょこちょこと彩りよく並びそれが完全な調和を描いてる。
[154]新感動、バス移動
日本に出張に行った。いつもなら日本のTGV、東京―大阪間の移動は新幹線を利用する。でも今回は高速バスを使ってみた。何と時間の有効利用になるものかととても感心した。新幹線の場合、TGV と一緒で席がなくても切符は売る。新幹線の「自由席」というのは空いてれば座れるよ、でTGV のDISPONIBLEもそう、指定は完売だけど運良く乗り忘れなどで席が空いたら座れるよ、でもなかったらずっと車両口で立ってなさいという意味。バスは違う。全席指定でそれ以上売らないし、リクライニングもかなり深いので快眠だ。夜に出ると朝には目的地到着。日本の場合、駅の傍にネットカフェがありシャワーの利用も出来るしネットでの時間つぶしも出来る。フランスならバスターミナルにカフェがあり、朝からビールやワインで赤鼻おやじがわいわいやっているのを見るのも結構楽しい時間潰しとなる。