最近フランスのミュージカルにわくわくする。私は大のミュージカルファン。本場アメリカに負けず劣らずのものがここ数年フランスに旋風を起こしている。普通のこれは台詞の一部が音楽仕立てだけど、こちらのこれは全部が音楽劇。それは懐かしの「シェルブールの雨傘」と同じ設定。最近はここからのヒット曲も多い。日本にミュージカル「十戒」がオリジナルキャストで来ると言う。その話はフランスでも話題になった。私は去年これを観たが感動の一言に尽きる。
私の出た大学はユダヤ教にそのルーツを持つプロテスタント系の学校で卒業までにしっかりと「宗教」の単位が山の様に科せられこれは日本の道徳の授業に撮り換わったものと理解し受講。だから旧約も新約も和文、英文、仏文と3種類も読んだし聖句も暗誦した。チャールズ・へストン主演の映画「十戒」も講義で何度も観たしだからいつも「十戒」に対しては「荘厳」「厳格」「精錬」みたいな男性的なイメージを抱いたけど、こちらで「十戒」を観てこの話には「兄弟愛」「夫婦愛」「人類愛」と愛がテーマの女性的な面を知った。
[151]なさそうであるもの
日本では当然の慣わしの如くある「同僚とのお付き合い」これは良しに悪しきに大事な事。社内での関係を円滑にするための潤滑油みたいなもん。日本にいた頃これを煩わしいと思った時期もあったけれど、今、海外で仕事をする上でこの大切さがよく分かるようになった。孝行したくても親はすでになし、という皮肉と一緒で、付き合いたくても今は一人でSOHOしてるから同僚はすでになし。個人主義の国というと私たちはすぐに米国を想像してしまうけれど、フランスの方がもっと徹底している、というか彼らの頑固さは妥協とか協調とか知らんのかと言いたくなる位に個人が孤立している気がします。だから、定時になると仕事があろうがさっさととんずら。
私がこれまで働いた海外の国々では仕事があればたまにだけど残業するし、帰宅前にちょっと一緒に一杯なんて事も。しかし、つい最近までの同僚がいた頃には終業後に一緒に飲む、週末に出かけるなんてのは殆ど皆無に近かった。フランスにはそんなものないのかもしれないと信じてた。しかし、最近になりばらばらに再就職した元同僚たちから終業後にご飯一緒にどうコールが入ってくる。そして世間話をしたり、美食やワインについてお喋りを楽しむ。なさそうであったよ、同僚とのお付き合い。元同僚だけど、嬉しいかなお付き合いがある。