[192]おやじカフェ万歳!(2)

ブルゴーニュのワイナリーは小規模な家族経営が多い所為か、村の中に同じ苗字のカーブがあるのはとても一般的なことです。それは本家と分家の関係みたいなもので、二つのワイナリーが婚姻によって結びついたら2つの名前が一緒に載るというところもあります。
ディジョンから市内循環バスDIVIA、15分位で行けるマルサネー村はブルゴーニュでも唯一ロゼワインでAOCを取っている所で、私の好きな造り手も数件あります。その中でもブーヴィエ親子は特に美味しいから大好き。お父さんのルネさんが作るロゼは付近のスーパーで6ユーロ程度と気軽に買えるので、夏はよくこれを飲む。息子のレジさんの作るワインはロゼも他も美味しいけれど、スーパーには置いてない。ちょっと高級品。彼らのカーブはパパがジュヴレイ・シャンベルタン、僕がマルサネーと近いから買出しに行きたいけど一般見学試飲は不可のよう。だから、二人の、特にレジさんのワインを飲みたくなったらマルサネー村にある「おやじカフェ」へと向かう。

ディジョンからバス23番のChateau 行きに乗りMarie(村役場)前で下車。教会を挟んで2つのおやじカフェがあります。私が好きなのはパン屋の隣にあるTABAC(タバコ屋)も兼業するおやじカフェの方。月曜日から土曜日までは「日替わり定食」がありこれを目当てにたくさんのジモティが集まるから食事をしたいなら1時ごろまでに入るべし。時間外に来てもシャキュテリー(ハムの盛り合わせ)やチーズの盛り合わせなら用意してくれる。付近にはブルゴーニュ一美味しいジャンボン・ペルシエの店があり、このおやじカフェのシャキュテリーで食べられるから、ブーヴィエ親子どちらかのロゼに合わせたい。ワイン目当ての観光客が多い所為かメニューも英語版があったり、ワインを飲むのにブルゴーニュのグラスが出るのもやっぱり気が利いてる。
おやじカフェだけどワイナリー村のど真ん中だからご近所のワインが続々とワインリストに連なる。安価なものからボトル100ユーロもするものもあるから驚き。この店ではブーヴィエ家息子のワインで決めたい。ロゼはもちろんのこと、Marsannay Les LongeroiesやLe Clos du royはこの村の赤ワインの底力を見せ付けられる。日本に彼らのワインはあるんだろうか。
マルサネー観光局
http://www.ot-marsannay.com/

夢路とみこ

[187]南ブルゴーニュの休日(4)

マコンに宿泊した翌日も朝から古城巡りの予定だったけどバスに乗り遅れ予定を変更。古城は午後にして、午前は郊外の村にあるワイン博物館訪問を試みたものの、数ヶ月前から改修工事のため閉鎖と知り、またまた目的地変更、予定外のシャルネイ・レ・マコン村へ行ったら大当たり、この上ない休日を楽しめた。
マコン・ヴィル駅発Ligne7のバスで行っても6分の場所だからバス乗り遅れたらタクシーでどうぞ。この村、はっきり言ってただの村です。あるのは一面の葡萄畑と廃墟になっている古城、その閑静さが少し怖いような気もするロマネスク教会と昔の公共洗濯場が幾つかあり、どれもが花で飾られてとても綺麗。
バス停の前にある観光局は駅舎跡でとっても絵になる。親切な局員のお勧めはレンタバイクでの村巡り。1時間5ユーロ、半日借りても10ユーロ。自転車もマウンテンバイク(VTT)に普通自転車(VTC)から幼児を乗せるための乳母車付きチャリもあり、観光局の前はVoie Verteと呼ばれる車立ち入り禁止道路。

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